いずれにせよニッポンの人は旅行者の「外国人」には優しいのに、共に生活する「外国人」に冷たいという不都合な事実を、外国人のまなざしが明らかにしてくれたのである。
それだけではない。今回の調査で衝撃的だったのは、中国、ベトナム、フィリピンの方が日本よりかなり高く評価されたってこと。
外国人労働者が日本に来る動機がなくなる
中国は総合では26位だが、仕事部門では18位。ベトナムは総合で10位と、前年の19位から大躍進した。特に、仕事部門全体で33カ国中3位と高く評価されている。賃金は27位と低いが(それでも日本より評価が高い!)、その他の労働環境のポイントが高かった。
一方、フィリピンは総合で24位で、前年の28位からランクを上げた。仕事部門も24位だが、賃金の評価は15位と高い。
現在日本で働く外国人(駐在している)は「中国」が38%で最も多く、「ベトナム」18%、「フィリピン」 7.7%と、7割をアジア系が占める。
つまり、外国人労働者に対して「世界のほかの国と比べるな!」だの「低賃金がイヤなら母国に帰ればいい」などとのたまう人がいるけど、このままだと誰にも日本は相手にされなくなる。
低賃金で暮らしにくい国ニッポン。事故や病気で亡くなる技能実習生・研修生のうち全体の3割が「過労死」するニッポン(「国際研修協力機構」の報告書より)。そんな国を誰がわざわざ選んでくれるだろうか。そのリアルを、日本はもっと真摯に受け止めるべきだと思う。
と、すでに問題山積で私の脳内のライオンとサルが大暴れしているのだが、今回私が問題にしたいのが「ニッポン人」そのもの。
件の調査でいうと、「生活のなじみやすさ」32位、「コミュニティの許容性」26位、「友だちづくり」32位という、身近なニッポン人に対する評価が壊滅的に低いことに強い危機感を覚えているのである。
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