全5562文字
(写真:shutterstock)

 「うちの息子がね、やたらと50代の文句を言うんですよ」

 こう話すのはある企業の社長さん、62歳である。

 これまで50代の社員への不平不満は耳にたこができるほど聞いてきたけど(すみません)、息子と父親とのやりとりが「情報源」になるのは今回が初めて。しかも、社長さん=父親のリアクションが実に興味深かったので取り上げようと思う。

 まずは、“父親”の独白からお聞きください。

 「こないだ息子と久々に飲んだんです。やつも忙しくしてるので、本当、久しぶりでした。最初のうちは息子の仕事の悩みを聞いてやって。うちの会社でも若手が簡単に辞めちゃうんでね。息子の悩みは結構、参考になりました。

 それでだんだんとお酒が回ってきたら、息子が上司の文句を言い始めた。

 言われたことだけやればいいっていうから言われたことだけやったら、『なんで言われたことしかできないんだ!』って怒られるだの、『自分で考えろ!』って言うから、自分で考えてやったら『余計なことするな!』と怒られただの言うんです。

 まぁ、確かに上司はそう言いがちだし、自分もやってるかもしれんなぁって笑いながら聞いていました」

若手が抱く50代シニア社員へのアレルギー

 「ところがね、息子が50代以上の社員の文句を言い始めましてね。はい、上司じゃなく、同じ職場にいるシニア社員です。

 『エクセルがまともに使えない、コミュニケーション能力が低い、役職定年になって会社にいる意味があるのか』と不平不満を言い、揚げ句の果てに、シニア社員が異動してくると、みんなの迷惑だから辞めてほしいとか言うわけですよ。

 シニア社員の生かし方は、うちの会社でも課題になっているので、息子の言い分が分からないでもない。でも、30そこそこの若造が、シニア社員をまるで給料泥棒のろくでなしのように言っているのを目の当たりにしたら、頭にきちゃってね。

 ついカッとなって、『若手にはない力がシニア社員にはあるんだぞ』って言い返したんです。

 そしたら今度は『自分の成功体験ばかり言って現場の邪魔をするか、会社で死んだふりしていて一言も話をしようとしないかどちらか。そんな人に、どんな力があるのか? 50歳以上はそもそも人間関係が狭過ぎる。会社の中にしか人間関係がないから視野が狭い』って反論してきた。

 なので、会社は使い物にならないやつを置いておくほど、ばかじゃないって言ってやったんです」