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 話を戻すと、50代以上の社員ほど、どんどんと現場から遠ざけられがちだが、蓄積した「暗黙知」を活用するならまったく逆だ。天敵の来襲や不測の事件が起きる確率の高い現場の最前線にこそ、シニア社員に任せた方が合理的。

 とはいえ、不機嫌で、ITにも弱いシニアをそんな目立つところに置いてどうする? と首をひねる人も多いことだろう。それ以前にシニア社員自身が「なんでそんな仕事をやらなきゃならないんだ!」とふてくされる可能性は高い。

 彼らは彼らなりに頑張っている半面、「俺はまだまだやれる。やる気もあるし、やるべきこともある。なのになんで50をすぎた途端、部下が上司になり、給料減らされるんだよ!」という不満を抱いているため、彼らが自主的に「これをやりたい」と動くように仕向ける必要がある。

「必要とされたい」思いは働かないおじさんも同じ

 なんだかとってもめんどくさいのだが、使う側の論理だけでやることは、必ずしも生産性の向上にならない。むしろ多少手がかかろうとも、自分から取り組み、やった仕事に達成感を持ち「自分はちゃんと貢献している」という自信を持たせた方が、周りのパフォーマンスも向上する。

 私は15年近くいろんな人の声に耳を傾けてきたが、口に出す出さないは別として、働く人たちには例外なく「人に必要とされたい」という願いがあった。

 同様の願いは、彼ら=働かないおじさんにもある。