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(写真:shutterstock)

 笑うに笑えないコラムがアメリカのブルームバーグ紙に掲載され、話題になっている。

 原文のタイトルは……、「Stop Blaming America's Poor for Their Poverty ./In Japan, people work hard, few abuse drugs, crime is minimal and single mothers are rare. The country still has lots of poverty.」

 翻訳すると……、「アメリカの貧困を自己責任にするな。日本を見よ、国民はみな真面目で勤勉で、薬物乱用や犯罪も少なく、シングルマザーも稀(まれ)なのに、貧困な人々がたくさんいるぞ!」。

 つまり、貧困を個人の責任にしたがるアメリカ人、とりわけ保守系の人たちに「貧困は社会が作り出しているんだぜ!」と訴えるためのエビデンスとして、日本人の貧困っぷりが取り上げられたのである。

 書いたのはブルームバーグのオピニオンライターで、ファイナンスの専門家だ。

 コラムではタイトルに書かれていることを、1つひとつアメリカと日本の数字を示しながら、「ねっ、日本人ってすごいでしょ? こんな国民性を持つ日本人なら貧困に陥るわけないじゃん!」という世界が称賛する日本人的理論を展開。

 「な・の・に、どういうわけか日本ってこんなに貧困率が高いんだぜ! 要するにさ、日本には政策的に深刻な問題があるってこと。貧困っていうのはさ、社会が作り出しているんだよ! 社会の問題なんだよ!」と、日本人が一向に正面から向き合おうとしないリアルを、海の向こうからアメリカ人が突きつけた、というわけ(以下、一部抜粋)。

 「Given all of this good behavior, conservatives might expect that Japan's poverty rate would be very low. But the opposite is true; Japan has a relatively high number of poor people for an advanced country. Defined by the percentage of the population earning less than half of the median national income, Japan's poverty rate is more than 15% -- a little lower than the U.S., but considerably higher than countries such as Germany, Canada or Australia:」

 (翻訳)「こうした良い行動の数々から、保守派の人たちは日本の貧困率は非常に低いと予想するかもしれない。しかし、真実は逆だ。日本の貧困率は先進国にしてはかなり高い。日本の相対的貧困率は15%以上で、アメリカより少し低いものの、ドイツ、カナダ、オーストラリアなどを上回っている。」