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 厚生労働省が実施した2016年度パワハラ調査でも、「上司から部下」によるパワハラが76.9%と最も多いものの、「部下から上司」によるパワハラも1.4%報告されている。

 たった1.4%と思われるかもしれないが、実態はこれ以上に存在しているのではあるまいか。

 実際、冒頭の知人は「会社には部下のことは話していない」そうだ。

 現在彼は3カ月の休養を得て、「完全復帰とは言えないけど普通に仕事ができている」状態まで回復した。そこで今回は、彼がメンタル不全に至るまでの経緯を話してくれた内容から「モンスター部下」についてあれこれ考えてみようと思う。

 「海外展開の部署に異動になって出張も多かったし、月100時間残業当たり前になっていたのが、かなり疲弊していたことは確かです。

 でも、部下のことが一番しんどかった。もうね、いちいちムカつくんです」

自己中心的でビジネスマナーに欠ける部下

 お客さんにシワシワの資料を平気で出す。注意すると突然、幽体離脱したみたいに無表情になって聞こえないふりをする。自信家さんで自分の意見が通らないと感情的になる。社内評論家のように、偉そうなことばかり言う。

 自分がやりたくないことは絶対にやらない。どんなに突然の仕事が入って、周りが残業していても視界に入らないのか見向きもしないで、とっとと帰る。地味な仕事は「それ、なんの意味があるんですか?」とやたらと聞いてくる。

 そのくせ結構ナイーブで、すぐに自信喪失する。そのたびに周りが慰め、褒めなきゃならない。それをしないと貝になり、誰かに優しく声を掛けてもらえるまでスネ続ける」