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(写真=shutterstock)

 先週、「年金」に関する週刊誌の記事が炎上し、記事の内容以上にその書きっぷりに批判が殺到するという騒ぎがあった。

 記事のタイトルは「働く女性の声を受け『無職の専業主婦』の年金半額案も検討される」。

 これだけですでに「ん?」と眉間にシワがよってしまうのだが、記事によれば「共稼ぎの妻や働く独身女性などから『保険料を負担せずに年金受給は不公平』という不満が根強く」あることから、「政府は男女共同参画基本計画で〈第3号被保険者を縮小していく〉と閣議決定し、国策として妻たちからなんとかして保険料を徴収する作戦を進めている」らしい。

 また、厚労省関係者談として「第3号を廃止して妻に国民年金保険料を払ってもらう案、妻には基礎年金を半額だけ支給する案、夫の厚生年金保険料に妻の保険料を加算して徴収する案などがあがっている」といった具体案まで記されていた。

 ……ふむ。いったいこの記事はナニを煽(あお)ろうとしたのだろうか。

「それは記事どおり『働かないと年金はもらえないぞ!』と専業主婦に警告したかったんだろ?」
「っていうか“働く女性の声”を代弁したんじゃないの?」
「んなわけないでしょ。専業主婦をバカにしすぎ。どんだけ重労働だと思ってるのよ」
「専業主婦には10連休もないんだよ。記事書いた人やってみろっつーの」
「“働く女vs専業主婦”みたいな構図で書かないでほしい」
「そーだよ。年金制度の失策を専業主婦に押し付けるな」
「だいたい専業主婦が保険料払ってないみたいな書き方してるけど、第2号被保険者の配偶者が第3号被保険者の分も含めて保険料を支払ってるでしょ!」

 記事がネットに転載された途端、こうしたコメントが殺到した。私自身“働く女性”の1人として言わせていただくと「専業主婦ってズルイ」などと思ったこともなければ、そんな“声”を聞いたこともない。

 ましてや「無職の専業主婦」って‥‥。このワード、少々乱暴すぎやしませんか。

 まさかこの記事を書いた記者さんは、家にルンバと洗濯機と電子レンジさえあれば、専業主婦の仕事は完結するとでも思っているのだろうか?

 以前、“島耕作”が「能力の低い男性に家庭に入ってもらえばいい(笑)」と発言し問題になったことがあったが、無職という言葉を専業主婦に結びつける思考を持っている方には、ぜひともひと月くらい家庭に入って専業主婦をやっていただきたいものである。