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 今回は、かなりとっ散らかった内容になるかもしれない。と同時に、新聞記事に書かれていた情報以外は入手できなかったので、あくまでも「考える」ためのきっかけとして取り上げることをお許しいただきたい。

 3月15日、ある事件の被告に実刑判決が言い渡された。2018年1月、三つ子の母親が生後11カ月の次男を床にたたきつけ、死亡させた事件である。報じられている事件の経緯や判決の量刑理由を読むと、言葉が出ない、というか、ただただ鬱屈とした感情だけが募ってしまう……。そこで、皆さんと共に考え、ご意見をいただきたいと思った次第である。

 事件が起きるまでの経過はこうだ。

 17年1月、夫婦は不妊治療の末に三つ子を授かるが、3人とも低体重だった。出産後、母親は実家に帰省。しかしながら、飲食店を経営する両親を頼ることはできず、同年5月に夫が待つ自宅に戻った。夫は半年間の育児休業を取得していたが、おむつの取り換えに手こずったり上手にあやせなかったりしたため、母親は夫を次第に頼らなくなったそうだ。

 3人の赤ちゃんを育てる生活は想像以上に過酷で、寝る暇もない毎日だった。市の保健師の訪問を受けた際に相談したところ、子どもを一時的に預けられる「ファミリーサポートセンター」の利用を勧められたが、事前面談に3人の乳児を連れていけず、結果的に利用しなかったという。

 そんな中、事件が起こる。

 18年1月11日の夜、子ども部屋に寝かせていた次男(当時11カ月)が、泣き始めた。その泣き声に母親は激しい動悸と吐き気をもよおし、次男をベッドから抱き上げ、畳の上に投げ落とした。再度、泣き続ける次男を投げ落としたところ、「気持ちが少し落ち着いた」という。

 しかし、直後、母親は慌てて119番通報。事件当日、夫は夜勤で留守にしており、救急車が駆け付けるまでの間、母親は次男を抱きかかえて心臓マッサージをしていた。その2週間後、次男は搬送先の病院で息を引き取った。

 最終陳述で、母親は「大好きだし、大事な私の子どもだというのはずっと変わらないです。何も悪くない次男に痛い思いをさせ、将来を奪ったこと、本当にごめんなさい」と涙ながらに語るも、裁判官が言い渡したのは実刑判決。

 被告は犯行時、うつ病の状態だったが、完全責任能力があったと認定。「無抵抗、無防備の被害者を畳の上に2回たたきつける態様は、危険性が高く悪質」と判断された。

 弁護側は近く控訴する予定で、双子や三つ子を育てる「多胎育児」の母親たちは、控訴審に備えて署名活動を開始。現時点で3万3000人を突破しているそうだ。