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「うちの会社には“解釈会議”っていうのがあるんですよ(笑)」
「カイシャクカイギ? ですか?」
「そうです。社長が会議で言ったことを、終わったあとで“解釈”して部下に伝えるの」
「なるほど。社長が言ったことが部下には伝わらないんですね!(笑)」
「あ、それならうちにもありますよ。でも、後じゃなく前。会議の前日に『明日、こう言ってきたとこは、こうこうこういう意味だからな』って(笑)」
「みなさん、大変ですね」
「(一同笑)はい、大変です」

 いつのことだったか忘れてしまったけれど、社長の言葉を翻訳する“解釈会議”ネタで中間管理職の人たちと盛り上がったことがあった。

 まぁ、社長さんに限らず上の指示が部下に伝わらないのは日常茶飯事だし、何人もの社長さんたちから「どうやったら話が上手く伝わるのか?」と度々質問されていたので、「忖度上手の管理職が解釈して伝えてくれれば願ったり叶ったりだわ」などと、彼らの話にホッコリした気分にもなった。

 が、上司と部下なら許される“解釈”が、女性と男性の間だと、場合によっては「NG」らしい。

 先日、またもや企業のキャンペーンサイトが炎上し、取り下げるという事態が起こった。“燃えた”のは江崎グリコ。同社が2月6日に夫婦間の子育てコミュニケーションアプリ「こぺ」をスタートしたことを記念し、19日「パパのためのママ語翻訳コースター」というコンテンツを公式サイト上で発表したところ、“こぺ燃”してしまったのである。

 「パパとママのコミュニケーションがうまくいくコツを、おしえて!こぺ!」というタイトルがつけられたページには、「すれちがいのストレスを減らすには、まず、パパとママの脳のちがいを知ることから」とし、男性脳と女性脳の違いによりコミュニケーションのすれ違いが起こるという趣旨を説明。で、具体的に「妻の言葉を“翻訳”」した8つの事例を紹介したのだ。

 たとえば、
「一緒にいる意味ないよね?」→「私のこと、どう思ってるのかな?」
「もういい!(ピッ!電話を切る)」→「ほんとは甘えたいの」
「好きにすれば?」→「それをやったら、もう知らないから!」
「わかってない」→「正論はもとめてない」
「仕事と家庭どっちが大事なの?」→「私は何より家庭を優先してるのに、あなたは仕事ばかりなのが寂しいわ……」
などなど。

 これに対し、「女性をバカにしてる!」「全く翻訳が適切ではない」「『女性に対しては共感だけすればいい』と思っているのか」「同じ言語を話しているのに翻訳するって失礼にもほどがある!」などなど批判が殺到し、23日に公開を終了したのである。