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増えない賃金、増えるミリオネア

 昨年話題になったが、主要7カ国(G7)で日本だけが2000年の賃金水準を下回っていることがOECDの分析で明らかになった。また、日銀によれば、この5年で日本の労働生産性は9%伸びた一方、物価変動の影響を除いた実質賃金の上昇率は2%にとどまることもわかった(日本経済新聞「賃金再考(1) 日本の賃金、世界に見劣り」)。

 また、「平成29年賃金構造基本統計調査」のデータを見ても、この20年間、賃金はほとんど上がっていないことがわかる(短時間労働者以外の一般労働者の月額賃金)。

賃金の対前年増減率の推移(短時間労働者以外の一般労働者)

 その一方で、18年度における東証一部上場企業の社長の報酬総額は中央値で5552万円で、前年比2.2%増だ(デロイトトーマツ調べ)。また、東京商工リサーチの調査によると、役員報酬が1億円以上だった上場企業の役員数は538人(18年3月期決算)。17年の466人から大きく増え、過去最高を更新している。

 約1カ月前の18年12月18日、野村総合研究所(NRI)が「日本の富裕層・超富裕層の世帯数は2013年から増え続け、2000年以降の最多だった」との調査結果を公表した(金融資産保有額5億円以上は「超富裕層」、1億円以上5億円未満を「富裕層」と定義)。

 具体的には、
・富裕層・超富裕層は126.7万世帯で、最も多かった2015年の121.7万世帯から約5万世帯も増加
・富裕層および超富裕層の純金融資産総額は、15年比で、それぞれ9.1%(197兆円から215兆円)、12.0%(75兆円から84兆円)増加
となった。

 お金のデータばかりで恐縮だが、世帯数のデータだといまひとつピンと来ないので、ついでにクレディ・スイス「2016 年度グローバル・ウェルス・レポート」も紹介しておく。

・16年度の日本の富裕層(資産総額100万ドル以上)の数は前年度から74万人ほど増加し、283万人。74万人は世界最大の増加数で、富裕層の数は世界2位
・日本の超富裕層(純資産5000 万米ドル超)の個人は世界最大の伸び率で 3600人。その数は、現在、世界第 6 位
・今後も日本の富裕層の数は増加し、 2021年には27%増になる見込み
……だそうだ。