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 年の瀬が迫るこの時期になると、毎年、無駄なニュースが増える。
 年末年始のカレンダーイベントを伝えるヒマネタが発生するからだ。

 12月13日の月曜日には、毎年各メディアが伝える「今年の漢字」というのが発表された。

 でもって、その「今年の漢字」をネタに有識者のコメントが紹介され、さらに、当該の漢字を墨痕鮮やかにしたためる僧侶の動画がテレビ各局の画面を席巻した。ま、例年通りの手順が粛々とこなされているわけだ。
 そして、この種の回顧ネタの陰に隠れるようにして、油断のならないニュースが伝えられている。
 14日には、「こども庁」に関連する記事が一斉に配信された。

 かねて子どもに関連した施策の司令塔となる新組織の名称を「こども庁」と予定していたが、「こども家庭庁」に変更することになったというお話だ。
 さらりと伝えられているが、ここへ来ての突然の名称変更には奇異の念を抱かざるを得ない。

 翌15日には裁判のニュースが届いている。

 森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん問題の国家賠償請求訴訟が、突然終結したというのだ。

 被告側から提出されていた損害賠償の請求を、被告である国側が、突然「認諾」したために、裁判が事実上打ち切られることになったということらしい。この結果、いわゆる「赤木ファイル」に関連する行政文書の開示、ならびに、誰が文書改ざんの指示を出したのかについて証人を呼び出したうえで証言を求めることは、不可能になったわけだ。

 政府は、原告側が請求している1億700万円という賠償金を丸呑みにして全額支払う代わりに、裁判を通じてこれ以上文書改ざんの詳細を明らかにすることを拒絶したことになる。要するに、財務省としては、組織防衛のためであれば、血税の支出を厭わなかったわけだ。

 なんというべらぼうな認諾だろうか。

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この記事はシリーズ「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。