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 11月25日の感謝祭から27日までの3日間は、ビートルズファンにとって特別な期間だ。
 というのも、この3日間は、ビートルズが現役時代の最後に残した映像が「ザ・ビートルズ:Get Back」というタイトルの記録映画として公開されるタイミングだからだ。

 予告編と事前公開の映像を見た。
 いまからワクワクしている。
 とても楽しみだ。

 ”Get Back”は、当初の予定では、2時間前後の記録映画として劇場公開される予定だった。しかし、コロナ禍の中で未発表映像の編集作業を続けていた制作スタッフは、ある段階で、期日通りに作品を仕上げることを断念した。で、当初の公開予定を延期した後、最終的に、2021年の11月に、「ディズニープラス」という映像配信サイトを介して、完成した作品を全世界同時公開する方針に切り替えたということのようだ。

 なるほど。

 映画館は、これから先、どうやって経営を成り立たせていくのだろうか。心配になる。新型コロナウイルスがまたぞろ世界中で猛威をふるい始めている現在、新作映画の配給は大丈夫なのだろうか。
 あるいは、インターネット経由の動画配信がますますそのシェアを高めていくのかもしれない。
 近い将来、コロナが明けて、われわれの日常が旧に復したのだとして、映画館という娯楽施設の立ち位置と役割が、すぐに元に戻ることはむずかしいだろう。

 映画館は、このままコロナ禍に苦しめられながら、徐々に衰退の道をたどることになるのだろうか。それとも、より巨大な資本を投入した新世代の総合娯楽施設として生まれ変わるのだろうか。現段階では、たしかなことは誰にもわからない。
 ともあれ、当面、映像作品の一部が家庭のテレビジョン再生装置向けに配信されていく事態は避けられない。

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この記事はシリーズ「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。