特に
「コロナなんてただの風邪だ」
「あんなウイルスは雑魚キャラだ」
などと、早い時期から利いたふうなマッチョなご意見を開陳しつつ引っ込みがつかなくなっていた冷徹業界のみなさんは、わが意を得たりとばかりに
「ほら、オレが前から言っていた通りじゃないか」
「自粛なんて、しょせん過剰反応だったってことだよ」
てなことを言い始めるはずだ。
私はその種のバカな反動が再び力を得る近未来の到来を憂慮している。
なぜというに、この種の事情通ぶった逆張りの言説は、これまでにわれわれが積み上げてきた地道なコロナ対策の努力と成果を、土台の部分から無効化してしまう「呪い」だからだ。
私個人は、緊急事態宣言が効果を発揮していなかったとは思っていない。この10日ほど、リバウンドの兆候があらわれていたのは、宣言が「無駄」(あるいは「効果ゼロ」)だったからではなくて、「効力を発揮しにくくなってきた」からだと考えるのが普通だろう。
だとすれば、何が足りなかったのかを検討して、その分の対策をあらためて追加するのが正しい話の筋道であるはずだ。
ここで、ヤケを起こして
「宣言は無駄だった」
「自粛一辺倒の対策は経済を殺しただけだった」
みたいな極論に走ってしまったら、これまで、宣言下で押し下げられていた感染拡大のカーブを、いよいよ破滅的なパンデミックに向けて再上昇させる結果を招く。
ある程度勉強をしたことのある人なら誰でも知っていることだが、努力と成果は必ずしも正比例しない。
平たく言えば、
「勉強したからといってすぐに成績が上がるわけではない」
ということだ。
実際、スポーツでも同じことだが、コツコツ練習しているのに記録が伸び悩む時期というのは必ずやってくる。
そこで、成績が上がらないからという理由で、トレーニングをやめてしまったら、その時点で間違いなく実力は停滞する。
だからこそ、目先の結果に一喜一憂せず、近視眼的な結果にまどわされることなく、その時点で積み重ねることのできる努力を続けることが重要なのだ。
なんだか意識の低い中学生に向かって説教を垂れているみたいな話で、自分ながら居心地が良くないのだが、現実問題として、政府が出来の悪い中学生みたいな態度をキメてきているのだから仕方がない。ここは国民の側が説教をしてあげないとダメだ。
宣言解除の可能性が噂にのぼり始めた3月14日の午後、私は、ツイッターに以下のツイートを連投した。
《3月21日をもって緊急事態宣言を解除する理由は下記のうちから選べ
1.GOTOの予算費消期限から逆算
2.五輪開催へのGOサインから逆算
3.今年こそ卒業式、入学式を開催したい学校関係者からの突き上げ
4.歓送迎会での売り上げを見込んだ飲食店関係者によるロビイング
5.自棄を起こしました 午後5:13 - 2021年3月14日》
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