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 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の拡散はどうやら新しいステージに突入した。
 「第三波」という言い方をしても、たぶん間違いではない。
 にもかかわらず、
 「コロナなんてただの風邪だ」
 「マスクって、典型的な同調圧力だよな」
 「各種の自粛は臆病な日本人による過剰反応だぜ」
 「オレは面倒くさいだけだけどな」

 といった感じのご意見は、むしろ勢いを増している。

 パンデミックが深刻になれば、それだけ
 「こんなものただの風邪だよ」
 という断言の需要も高まる。この感じは、靭帯を断裂した柔道部の一年生が、救急車が到着するまでの間、さいごまで
 「大丈夫っす」
 「たいしたことないっす」

 と主張し続ける悲しさに似ている。

 つい先日も
 「10月はほぼ毎日1日2~3回の飲み会をした」
 「コロナ陽性者は出なかった」
 「何百人も濃厚接触したんだよ」
 「察してください」
 「ウヒヒ」
 という趣旨の全方位的に愚かなツイッター投稿をとりあげて

  1. 飲み会の頻度
  2. 濃厚接触の人数
  3. 公表する神経
  4. コロナ軽視の暗示だけならOKとする現状認識
  5. 勝利宣言含みの虚勢笑い

 の5点を指摘しつつ
 「バカすぎる」
 と結論づけたツイートを投稿した(当該の自分のtwにはリンクを張らない。色々と面倒な事情があるので)のだが、すると、早速のように、各方面からビビッドな反応が寄せられた。

 もう少し具体的な言い方をすれば
 「何を言ってるんだ。データをよく見ろ。コロナは脅威ではない」
 「どうしてそんなにビビってるんですか(笑)」
 「チキンは一生マスクをしてろってこった」
 「ビクビクしながら生きるのがそんなに楽しいのか」
 「このリンク先を見ろ。コロナフォビアは神経症にすぎない」
 「いずれ世界に広まる。ビビったところで結果は変わらない。蔓延の時期が多少前後するだけだ。だとすれば普通の生活が一番だろ?」
 「コロナ自粛のせいで経済が止まることの方がずっと深刻な健康被害を招くという程度のことがどうして想像できないんだ? バカなのか?」

 てな調子の問いかけやらお説教やらが殺到したということだ。

 リプライを眺めながら、私は、コロナ対策が、つまるところ「マッチョイズム」(あるいは「マチズモ」)との闘いになる予感を抱きはじめている。
 欧米諸国が第三波を止められずにいる理由も、気候や生活習慣とは別に、先進資本主義国の社会と経済をドライブしている行動原理が、粗野なマッチョイズムであることと、おそらく無縁ではない。

 今回は、メディアと陰謀論の話をする。