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 この週末の日曜日(11月1日)に、大阪市を廃止して4特別区に再編する、いわゆる「大阪都構想」への賛否を問う住民投票が実施される。
 この大阪市廃止&再編の計画について「大阪都という自治体ができるわけでもないのに大阪都の名称を掲げてその賛否を問うのは欺瞞だ」という声があることは承知しているのだが、当稿では、簡明さと一般への浸透度を重視してカギカッコつきで「大阪都構想」と呼ぶことにする。
 今回は、その「大阪都構想」について書く。

 結果がいずれに落着するのであれ、現時点で自分がどんなことを考えていたのかを書き留めておくことには意味があると思うからだ。
 大阪市在住の読者の中には、オダジマが当欄でこの話題をとりあげることについて
 「他府県の人間が口を出さないでくれ」
 「部外者が興味本位であれこれ言わないでほしい」
 というふうに感じている人がいるかもしれない。

 実際、私がツイッター上で、大阪の話題に触れると、必ずやこの種の反応が寄せられる。
 「よく知りもしないことにわけ知り顔でいっちょかみしないでくれ」
 「オレたちの未来を邪魔しないでほしい」
 と、彼らは、時には気色ばんだ口調で突っかかってくる。
 気持ちはわかる。

 私とて、自分の部屋のデスクトップパソコンをどんなふうに整理しておくべきなのかについて、見ず知らずの他人に指図されたいとは思わない。
 誤解しないでほしいのだが、私は、大阪の政治や大阪の未来図に対して自分の考えを押し付けたり、指図をしたりしたいと考えているのではない。
 投票は個々の市民がそれぞれの考えにしたがって粛々と実行すれば良いと思っている。そこのところに口をはさむつもりはない。

 ただ、私は、今回の住民投票に関して自分が部外者であるとは思っていない。
 というよりも、日本国民である限り、全員が当事者なのだと考えている。
 どうしてそう考えるのかというと、この住民投票は、地方自治の枠組みを住民自身が組み替えようとする極めて異例な試みで、それゆえ、投票の結果は、必ずや全国の自治体に波及するはずだからだ。

 それだけではない。
 大阪市が政令指定都市の特権を返上して、その権益を府に移譲するこのたびの「政変」の帰趨は、国政にも多大な影響を与えずにはおかない。

 私が懸念しているのは、大阪維新の会の推し進める「大阪都構想」が、市民の多数の賛成を得て成立した場合に、彼ら(つまり「維新」)のプロパガンダ手法が、中央の政界で猛威をふるうようになる近未来だ。

 そのプロパガンダ手法とは、具体的に言えば
1.「既得権益」への闇雲な敵意
2.「前例踏襲」への一面的な批判
 のことだ。

 私は、なにかにつけてこの二つの言葉(「既得権益」と「前例踏襲」)を持ち出して現状を否定しにかかる維新の会の主張に、かなり以前から、疑問を抱いている。

 以下、その疑問の中身を説明する。