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 つまり、われわれは、連敗街道を歩んでいる。そういう次第なのである。

 不思議なのは、バブル崩壊以降のいわゆる「失われた30年」を通じて、日本の国際社会におけるプレゼンス(存在感)が、ほぼ一本調子で低下しているにもかかわらず、この間、わたくしども日本人の自尊感情は、むしろ強化されているように見えることだ。

 これは、たしかなエビデンスがあって言っていることではない。私個人の「所感」ないしは「印象」を語っているにすぎない。
 もちろん、違う感慨を持っている人もあることだろう。そこのところは認めても良い。
 とはいえ、実際のところ、私の目に、令和の時代を生きているわれら21世紀の日本人が、1980年代~90年頃までの黄金期(「ジャパン・アズ・NO.1」なんて言われていたりしましたね)の日本人に比べて、より誇り高く自信にあふれているように見えているのだから仕方がない。

 これ(つまり、われら令和の日本人が自国と自国民を高く評価し、前世紀に比べてより強い愛国心を持っているように見えること)は、良いことなのだろうか。

 答えは簡単には出ないだろう。
 「状況はどうあれ祖国に誇りを持つ方が良いに決まっている」と考える人もいるだろうし、逆に「いや、闇雲に自信を抱くより、自国の危機的な状況を正確に認識することの方が大切だ」という方向で考える人もあるはずだ。

 ここでは、どちらが正しい解答であるのかについて、結論は出さずにおく。