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 トランプ大統領のツイートのかなりの部分は、その時々の感情にまかせて口走った捨て台詞以上のものではない。根拠のない断定や、八つ当たりの罵詈雑言も少なくない。年間を通してウォッチしている者として言わせてもらうなら、あの人のツイートは、介護スタッフのスタンスで受け止めるべき言葉だ。

 「はいはいそうですねおじいちゃん。お昼のお薬はもう飲みましたか?」
 てな調子で、適当に受け流しておかないといけない。いちいち鵜呑みにして騒ぎ立てたり走り回ったりするのは感情の浪費以外のナニモノでもない。

 トランプ大統領のTwitter発言に関しては、これまでにも事実と異なった言及が散見されていたり、大統領としての権限を踏み外した発言がたびたび問題視されたりしてきたわけなのだが、ツイッター社は、この5月の「郵送投票に関する誤解を招くツイート」に「要事実確認」の警告ラベルを付与した。で、この時の注意喚起を皮切りに、トランプ大統領のツイート姿勢に正面から対峙する姿勢を明らかにしつつある。

 このツイッター社の強硬な対応に反応するカタチで、トランプ大統領は、5月28日、ツイッター社などのソーシャルメディアプラットフォーム企業の法的保護を制限することを目的とした大統領令に署名した。大統領は、この時の記者会見で、
 《「現在、Twitterのようなソーシャルメディアの巨人は、彼らが中立的なプラットフォームであり、編集者ではないという前提に基づいて、前例のない保護を受けている。私の大統領令は、Communications Decency Actのセクション230に基づく新たな規制を要求し、検閲や政治的コンテキストにかかわるSNS企業の保護を維持できないようにする」》
 と述べている

 大統領としては、新たな規制を持ち出すことで、ツイッター社をはじめとするSNSの企業活動に制限を加える可能性を示唆したカタチだ。

 もちろん、ツイッター社とて、大統領に圧力をかけられて、そのままおとなしく引き下がるわけにはいかない。
 マッチョの国では、脅された側がそのまま尻尾を巻いたら、永遠に見限られる。脅されたら、脅し返さないといけない。めんどうくさいやり取りだが、仕方がないのだ。