というのも、フリーランスの人間は、その名の通り、実にさまざまな形で働いているわけで、必ずしも企業の業務委託を受けているわけではないからだ。当然だ。この条件だと
 「ヒモ付きでないフリーランスは保護しない」

 みたいな、本末転倒の政策が動き出すことになる。

 また、
 「臨時休校に伴って仕事を休んだ保護者」

 というのも、フリーランスの働き方の現実にフィットしていない。

 フリーランスの人間は、会社勤めの人間と比べて、働く場所と時間をわりと自由に選ぶことができる。その意味では、在宅ワークで穴を埋めたり、働く時間を深夜や早朝にシフトしたりすることで子供との共存の時間を稼ぎ出せる可能性は高い。

 しかしながら、その一方で、フリーランスの泣き所は「仕事の継続性」が確保できない点だ。

 つまり、得意先なり顧客なりの都合で
 「あ、悪いけど、来月から来なくていいから」
 と言われたが最後、その日から収入が途絶するリスクを常に負っているということだ。

 その点からすると、今回の新型コロナショックで、収入源の消失に直面しているのは、誰よりも
 「企業からの業務委託という比較的安定した収入を得ている個人事業主とは別の人たち」
 すなわち
 「個人的な人脈と、流動的な市場に翻弄される中で仕事を拾って歩いているフリーランス」
 ということになる。

 ところが、お国が支援を検討しているのは、フリーランスの中でも、比較的恵まれた、企業相手の業者だけだったりする。しかも、その休業補償の条件が、子供が通う学校が休校になったことのアオリを食う人たちに限られる。ということはつまり、
 「基本的に、9時~5時の定時で働いている勤労者」
 だけが保護されるみたいな話になる。

 これでは、不安定で不定形な働き方をしている零細なフリーランスを救うことはできない。

 しかも、当面、日額として想定されている金額である4100円という数字がどこから出てきたのかというと
 ニュースによると「東京都の最低賃金×4時間」
 だという。

 この4100円という日額の根拠だが、別のニュースソースでは、
 「働き方や報酬は多種多様で、迅速に支援を行う必要がある中で、非正規雇用の方への給付とのバランスを考慮した」

 という安倍総理の言葉を引いた説明が紹介されている。