加えて、政府は、野党側が「桜を見る会」に招待されていたとして、その招待の真意および根拠を求める質問を投げかけていた「反社会的勢力」について
 「あらかじめ限定的、統一的に定義するのは困難」

 との閣議決定をしている。

 思うに、あれ以来、官邸の機能の半分ほどは壊死している。

 今回はさらにひどいことが起こった。

 28日の衆院予算委員会で、共産党の宮本徹議員が文書を示しながら発した、
 「この文書は見たことがなくても、募集していることはいつから知っていたのか」

 という質問に対して、安倍首相は、

 「私は、幅広く募っているという認識だった。募集しているという認識ではなかった」
 と回答したのである。

 いったいどこの世界のナンセンスコントだろうか。

 つまり、首相は、
 「募ってはいたが、募集はしていない」

 と述べたことになる。

 この珍無類な回答を聞かされた宮本議員は、さすがに
 「私は日本語を48年間使ってきたが、『募る』というのは『募集する』というのと同じですよ。募集の『募』は『募る』っていう字なんですよ」

 と強い口調で首相に食い下がった。

 しかしながら、安倍さんは、少しも動じることなく、
 「ふさわしい方ということでいわば募っているという認識があった。例えば新聞などに広告を出して『どうぞ』ということではないんだろう」

 というほとんど意味不明の説明を開陳した。

 なんという肝の太さだろうか。

 あるいは、人並み外れて肝が据わっているのでなかったのだとすると、著しくアタマが悪いのか、あきれるほど神経が鈍いのかのどちらかということになるわけなのだが、あるいはそれらのすべてなのかもしれない。私にはわからない。どっちにしても私の持ち歩いているちっぽけな物差しで測れる人物ではなさそうだ。