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 以下、「全員団結」の説明のページに記されているボディーコピーを引用してみる。

《団結。それは人々が力を合わせ、強く結びつくこと。
 みんなが待ち望んだ、東京2020オリンピック。
 じっとしていても、何もはじまらない。
 勇気を出して、オリンピックに参加しよう。
 そうすればきっと、あなたの中で何かが変わる。
 みんなで手を繋げばきっと、ものすごい力が生まれる。
 心をひとつに、全員団結!
 さあ、いくぞ。がんばれ!ニッポン!》

 この文章を読んで何を感じるのかは、それこそ人それぞれだ。
 素直に共感する人もたくさんいるのだろう。

 私は、体言止めの多用と、イクスクラメーションマーク(!)の連発に圧迫感を感じる。

 もっと言えば、
 「じっとしていても、何もはじまらない」
 という一行の説教くささには、辟易するし、

 「勇気を出して、オリンピックに参加しよう」
 の部分に対しては、
 「どうして勇気が必要なのですか?」
 と、問い返したい気持ちを持つ。

 「つまり、あなたたちは、われわれに、参加するのに勇気が必要であるような過酷なブラック労働ボランティアを期待しているのですか?」
 と。

 「そうすればきっと、あなたの中の何かが変わる。」
 という部分には、当然のことながら
 「うるせえ。余計なお世話だ」
 と反発しないわけにはいかない。

 そして、最後の
 「心をひとつに、全員団結!」
 というアジテーションには、当然のことながら警戒感を抱くことになるし
 「さあ、いくぞ。がんばれ!ニッポン!」

 という決め台詞には、恐ろしさをさえ感じる。だって、オレ、ニッポンの話なんかひとつもしていないのに、なぜなのかいつの間にやら大いなるニッポンの一部分として総決起しないといけないみたいな展開になってるわけだし。

 類似のネタとして思い出すのは、1968年に制作された(日本での公開は翌1969年)ビートルズのアニメ映画『ビートルズ イエロー・サブマリン』だ。

 私は、この映画を中学生の時に見た。色彩の素晴らしさと、音楽にただただ圧倒されたことを覚えている。

 で、どうしてこれが「全員団結」なのかというと、この映画のエンディングで流された歌が「オール・トゥゲザー・ナウ」(←直訳すれば、「みんな一緒に」ぐらいですね)だったからだ。