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 発言は「桜を見る会」のための野党によるヒアリングを収録したVTRの中に収録されている。

 11月29日のヒアリングでは、今井雅人議員の
 「担当者に(招待番号の)60から63の違いを確認してもらえませんか?」

 という要求に対して、内閣府酒田元洋官房総務課長が
 「承知しました」

 と答えている。ところが、このヒアリングを受けた12月3日の会合では、

内閣府:「内閣府においてこの情報は保有していない」
議員:「その時の担当者に確認してきて下さいっていいましたよね?」
酒田総務課長:「当時の担当者が特定できるということは申し上げたが、確認をするというところまで確約したかというと記憶にございません」
議員:「は?」
酒田総務課長:「“わかりました”というのはそういう趣旨は理解しましたが、“必ず確認してきます”と承諾したということではありません」

 という話になる。

 より詳しいやりとりは、以下のリンクの記事に詳しい。

 この酒田某というお役人の言い分は、自分の言った
 「承知しました」
 は

"I understand"
 の意味で発した言葉であって、

"Yes,I will"

 ではないということなのだろう。

 構造としては、
 《「はい」は、単なる相槌であって、承諾を意味する返答ではありません》という、昔からあるよくある詐欺師の言い草と同じだ。

 政府の中枢にいる人間が、こういう理屈を振り回すようになってしまった私たちの国は、この2年半の間に、一歩も前に進んでいないどころか、距離にして2キロメートルほど後ろに下がっている。

 それもこれも、みんなしてよってたかって、自分たちの国の言葉を壊してしまったからだ。

 適切な言葉がみつからない。

 とりあえず、
 「NO」

 とだけ言っておく。

(文・イラスト/小田嶋 隆)

小田嶋隆×岡康道×清野由美のゆるっと鼎談
「人生の諸問題」、ついに弊社から初の書籍化です!

 「最近も、『よっ、若手』って言われたんだけど、俺、もう60なんだよね……」
 「人間ってさ、50歳を超えたらもう、『半分うつ』だと思った方がいいんだよ」

 「令和」の時代に、「昭和」生まれのおじさんたちがなんとなく抱える「置き去り」感。キャリアを重ね、成功も失敗もしてきた自分の大切な人生が、「実はたいしたことがなかった」と思えたり、「将来になにか支えが欲しい」と、痛切に思う。

 でも、焦ってはいけません。
 不安の正体は何なのか、それを知ることが先決です。
 それには、気心の知れた友人と対話することが一番。

 「ア・ピース・オブ・警句」連載中の人気コラムニスト、小田嶋隆。電通を飛び出して広告クリエイティブ企画会社「TUGBOAT(タグボート)」を作ったクリエイティブディレクター、岡康道。二人は高校の同級生です。

 同じ時代を過ごし、人生にとって最も苦しい「五十路」を越えてきた人生の達人二人と、切れ者女子ジャーナリスト、清野由美による愛のツッコミ。三人の会話は、懐かしのテレビ番組や音楽、学生時代のおバカな思い出などを切り口に、いつの間にか人生の諸問題の深淵に迫ります。絵本『築地市場』で第63回産経児童出版文化賞大賞を受賞した、モリナガ・ヨウ氏のイラストも楽しい。

 眠れない夜に。
 めんどうな本を読みたくない時に。
 なんとなく人寂しさを感じた時に。

 この本をどこからでも開いてください。自分も4人目の参加者としてクスクス笑ううちに「五十代をしなやかに乗り越えて、六十代を迎える」コツが、問わず語りに見えてきます。

 あなたと越えたい、五十路越え。
 五十路真っ最中の担当編集Yが自信を持ってお送りいたします。