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 もっとも、誤記は誤記として、このツイートは、この3日ほどの間に2700回以上リツイートされ、5000件以上の「いいね」を獲得している。

 「いいね」を送信したアカウントの全員が、賛同の意味でボタンをクリックしてくれたわけではない。その程度のことはわかっている。不快な書き込みを証拠保全する意味でマーキングした人々も当然ながら一定数はいたはずだ。

 とはいえ、私の決めつけへの賛否はともかく、「クールジャパン」という言葉や「クールジャパン機構」の出資先に釈然としない感情を抱いた人間がたくさんいたことは事実だと思う。

 人々は「クールジャパン」をいぶかっている。というよりも、多くの人々はこの言葉を恥ずかしがっている。

 だからこそ、彼らはその「クールジャパン」の文脈の中に、国策娯楽文化教育団体としての吉本興業が組み込まれつつあることの不気味さを示唆した私のツイートにビビッドな反応を示したのだと思う。

 私個人の話をすれば、たとえば、今回、吉本興業とNTTが共同で推し進めようとしている事業の運営会社に

「ラフ&ピース マザー」
 という名前をつけた感覚に、いたたまれないものを感じている。

 おそらく

「ラフ&ピース」
 は、'70sのカウンターカルチャーのスローガンのひとつであった 「ラブ&ピース(Love and Peace)」  をモジったフレーズなのだと思う。

「笑いと平和」
 趣旨はわからないでもない。

 でも、正直な話、私は、この文字面を瞥見して「らふあんどぴぃす」という読み下しの脱力した発音をアタマの中に反響させてみた瞬間に
「うわぁ」  と叫んで走り出したくなった。

 理由は、このモジりによるフレーズがベタで拙劣だったからでもあるのだが、それ以上に、このネーミングが行間に腐れオヤジの「ドヤ顔」を感じさせる典型的な会議ギャグだったからだ。

「らふあんどぴぃす ちゅうことや。どう思う?」
「ははは。こりゃあええなぁ」
「うん、最高」

 たぶん、この呼称を思いついたのは、

「ほら、愛とか平和とかそんなん聞いたらサブイボ出るやんか」
 てなことをふだんからアピールしている自称リアリストの腐れオヤジなのだと思う。