全5421文字

 NHK総合が放送している朝の情報番組「おはよう日本」の番組内の「おはBizキーワード解説」というコーナーの中で、先日
 「“叱られ方”を学べ!」
 という取材構成のVTRが放送された。

 番組公式ツイッターが紹介している以下のリンク先で、その内容と動画を(リンク切れになるまでは)確認することができる。

 視聴者へのアピールという側面から考えると、これはこれで理にかなった番組づくりなのだろうとは思う。

 というのも、若い世代の「打たれ弱さ」に当惑している中高年はそれこそ星の数ほどいるわけだし、番組の主たる視聴者層は、おそらくは、そうした「若い連中のだらしなさへの対処に困惑している中高年」であるはずだからだ。

 ただ、NHKみたいなメディアを通じて「未熟な人間としての正しい叩き直され方」みたいな屈辱的な扱われ方を大々的に拡散されてしまっている就活生の立場からすると、これは、たまったものではない。

 私立大学の就職課が、内定の決まった学生を対象に「叱られ方」を学ぶ講座を開講しているという事実が物語っているのは、
 「おまえたちの叱られ方はまるでなっていない」
 てな調子の叱責を求めている学生がそれなりのボリュームで存在しているという、さらにひとまわり衝撃的な事実だったりする。

 なかなか重苦しい状況だ。
 しかも、この講座を公共放送の情報番組が、肯定的なニュアンスで紹介している。

 彼らはいったいわれわれに何を伝えようとしているのだろうか。

 現実問題として、この講座に参加している「正しい叱られ方を身につけようと考えるほどまでに萎縮しきってしまっている企業内定者」の若者たちは、将来的に、イノベーションや新市場開拓を果たせるものなのだろうか。

 番組がツイッター上で話題になった直後、私は、当該番組への感想を書き込んでいた武田砂鉄氏のツイートにコメントを付加する形で、以下のようなツイートを投稿した。

《独善的な教師やバカな上司による理不尽な叱責に慣れていたオレらの世代が、若い人たちの叱られ耐性の低さに面食らっているのは、たしかに一面の事実ではある。ただ、「叱られ耐性」は、洗練された奴隷根性に過ぎない。そんなものを高めたところで、パワハラオヤジをエンパワーするだけだと思う。》