皆様、あけましておめでとうございます。この原稿を書いている時点では、もちろんまだ年は明けていないのだが、それでもこういう出だしの文章を書く時期になったのだなあという感慨がある。

日産自動車が「第46回東京モーターショー2019」に出展した軽EV(電気自動車)のコンセプトカー「ニッサンiMK」。日産自動車と三菱自動車が2022年に発売する軽EVはこれに近いデザインになると予想されている(写真:日産自動車)
日産自動車が「第46回東京モーターショー2019」に出展した軽EV(電気自動車)のコンセプトカー「ニッサンiMK」。日産自動車と三菱自動車が2022年に発売する軽EVはこれに近いデザインになると予想されている(写真:日産自動車)

 新年恒例の「2022年予測」だが、今年は日本でもいよいよ「EV(電気自動車)元年」になるというのが筆者の予測だ。2021年10月31日から11月13日にかけて英国・グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では、「産業革命前と比べた世界の平均気温上昇を1.5度に抑えるための努力を追求する」という目標が明記された。2015年に採択されたパリ協定では「平均気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑える」という表現だったのに比べると、より厳しい目標を目指す方向が明確になった。

 しかし、この会議では日本が厳しい批判を浴びた。首脳級会合が2日目を迎えた11月2日に、世界130カ国のNGO(非政府組織)ネットワーク「CANインターナショナル」が温暖化対策に消極的な国に与える不名誉な「化石賞」が日本に贈られたのである。そして11月4日にはトヨタ自動車が環境団体のグリーンピースから世界の完成車メーカートップ10社の中で、気候対策ランキングの最低評価を受けた。エンジン車の廃止、サプライチェーンの脱炭素化、資源の持続可能な利用などに対して消極的と評価されたほか、気候政策を緩和させるためのロビー活動を世界の市場で展開しているとされたことが低評価につながった。

 この例に限らず、日本の完成車メーカーは世界で進むEV化の流れに乗り遅れているのではないかという報道を多く見かけるようになった。しかし、「EV化に出遅れた日本の完成車メーカー」というイメージは2022年から徐々に変わっていきそうだ。2020年は、新型コロナウイルス禍で自動車販売が低迷する中、EUと中国ではEVの年間販売台数が130万台を超えるなど、クルマの電動化が大きく進展した。これに2年遅れる形で、前述のようにいよいよ日本でも、2022年は本格的な「EV元年」を迎えると筆者は考えている。その理由は2つだ。

 1つは、日産自動車と三菱自動車が共同開発した軽EVを2022年春に発売することだ。ベース車種の価格は補助金込みで200万円を切る水準に設定されると見られる。軽自動車といえども装備によっては200万円を超えることはもはや珍しくないので、ユーザーはそれほど割高とは感じないのではないか。問題は、価格を抑えるために電池容量は20kWhと限られ、航続距離も170km程度と予想されていることだ。これは、現代のEVとしてはかなり短いように見える。

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