また先代ノートのe-POWER仕様では、加速から停止までアクセルペダルだけでコントロールできる「eペダル」が大きな特徴だったが、新型ノートではクリープ状態までは減速するものの、停止させるにはブレーキを踏まなければならない。ブレーキへの踏み替えが不要な従来のeペダルの使い勝手を筆者は高く評価していたので、この点は、最初は残念に思ったのだが、実際に路上を走らせると、やはり停止時にはブレーキを踏んでいたほうが心理的に安心だ。停止直前までアクセルでコントロールでき、最後に停止するときだけブレーキを踏む新型ノートの考え方のほうが実用的かもしれないと思い直した。

 燃費は、燃費計の操作方法に慣れず高速燃費を測定できなかったのだが、かなりゴー・ストップを伴う市街地での燃費は26.8km/Lという結果だった。これはWLTCの市街地モード燃費(Xグレード、2輪駆動仕様)の28.0km/Lに近い。この結果から考えると、高速燃費でもWLTCの高速モード燃費27.2km/Lに近い値が期待できるだろう。

 さて、新型ノートをどう評価すべきだろうか。先に説明したように、競合するフィットやヤリスに比べると20万~30万円割高感があるのは事実だ。しかし、室内の質感や乗り心地などでは両車を上回る部分も多い。また、このクラスで筆者が高く評価してきたプジョー208と比較すると、価格はかなり近いが、新型ノートは乗り味や室内の質感などで同等の水準を実現していると感じる。確かにプジョー208のほうが“おしゃれさ”ではノートを上回るが、後席や荷室のスペースではノートが明らかに上回り、実用的な燃費性能は2倍近い。確かに価格は高いのだが、性能・品質とのバランスを考えると、新型ノートの競争力は高いと思う。

 ただしノートももちろん完璧ではない。今回の試乗で特に残念だった点が3つある。1つは前席回りの品質感の高さに比べて、後席がややないがしろになっていることだ。前席ドアの内張りにはソフトな素材が使われているのに、後席ドアの内張りは硬い樹脂製で質感もそれほど高くない。

 もう1つ、前席に比べると、後席周りのフロア剛性がやや不足し、後輪サスペンションからの衝撃が後席には伝わりやすい。前席の居心地がいいので後席の評価が辛くなっている点はあるが、この点でも前席に比べると後席が冷遇されていると感じる。

 3つ目は、このノートから採用が始まったナビ連動型のプロパイロットについてだ。このプロパイロットはナビゲーションシステムの地図と連動し、制限速度に応じた設定速度の自動切り替えや、カーブの手前での自動減速、出口での自動加速が可能になった。また渋滞時に停止した場合の再発進も、自動的に再発進可能な停止時間が従来の5秒から30秒まで伸びたことで実用性も向上している。今回の試乗は短時間だったためこれらの機能のありがたみを感じる状況がなかったのだが、従来のプロパイロットよりもステアリング操作のスムーズさは向上しているように感じられた。

 ただし、ステアリングを握っているのに「ステアリングを保持してください」という警告が頻繁に出るのは相変わらずだ。これも国内の多くの運転支援システムで共通する課題なのだが、プロパイロット2.0ではステアリングタッチセンサーの採用でこの問題を解決している。せっかくのプロパイロットを改良したのだから、ここには真っ先に手を着けてほしかった。プジョー208は一足先にタッチセンサーを採用しているので、なおさら残念に感じた次第だ。ここは早急に改善してほしいと思う。

この記事はシリーズ「クルマのうんテク」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。