ただ、実際に座ってみれば、先代より余裕が減ったとはいえ、相変わらず十分なスペースが確保されている。先代ノートでは前席下にバッテリーが搭載されていたため足入れ性が悪かった点が新型では解消されているので、実際に着座した姿勢はむしろ先代よりラクかもしれない。競合車との比較では、ヤリスと比べると明らかに広いが、フィットに対しては足元のゆとりや開放感で、フィットに軍配が上がる。

 シートの出来も競合車を上回る。ヤリスもフィットもそれぞれの先代と比べるとシートの性能は非常に向上しているのだが、ノートのシートは、表面の感触がソフトで、その奥でしっかりと体を支えてくれる感触がある。これに比べるとヤリスやフィットのシートは、体はしっかりと支えてくれるものの包まれ感に乏しく、やや素っ気ない印象を与える。

活発な動力性能

 走り出すと、しっとりとした懐の深い乗り心地が印象的だ。シートと同様に、当たりはソフトだが、その奥でしっかりと衝撃を受け止め、剛性の高い車体で吸収するのが感じられる。これに比べると、ヤリスやフィットの衝撃の伝え方は、もっとストレートだ。シートといい、サスペンションといい、ここでもプジョー208と共通するテイストがある。CMF-Bプラットフォームはルノー主導で開発されたものだが、新型ノートにちょっとフランス車的な乗り味を感じるのはそのせいかもしれない。

 一方で動力性能はモーター駆動であるだけにアクセルの踏み始めから大きなトルクが立ち上がり、クルマの動きをコントロールしやすい。前回のこのコラム「多気筒エンジンの高級車みたいだったEVモデルのマツダ『MX-30』」で、マツダのMX-30が、加速時にエンジンのようなサウンドを発生させることで「EVらしくない」走りになっていることを紹介した。逆に新型ノートはちょっと電車みたいなモーター騒音を隠さずに加速していくので、純粋なEVのMX-30よりもよほど“EVっぽい”走りだ。このあたりは電動車に対するメーカーの考え方に違いがあって面白い。

 もちろん駆動源がモーターだから静粛性そのものは高い。発進時はエンジンがかからずモーター騒音がわずかに聞こえるだけなのだが、速度が上がっていってもどこでエンジンがかかったのかが分かりにくい。これは、速度が上がってロードノイズのレベルが高くなったタイミングでエンジンを始動させる制御を新たに採用しているためだ。