2020年1月23日は近代史に残る日付になるだろう。去る1月23日で、中国・武漢で新型コロナウイルスによる世界で初のロックダウンが実施されてからちょうど1年がたった。この原稿を書いているまさにこのときも、新型コロナ変異株の流行で英国では厳しいロックダウンが実施されている。最初に実施されたときに、非人間的な措置と言われた中国のロックダウンが、いまや世界の各地で感染拡大阻止のための不可欠な手段として実施されていることは、この1年で世界がいかに変わってしまったかを物語っているように見える。

 毎年1月に米国ラスベガスに取材に行くのが恒例となっている世界最大級のエレクトロニクス関連見本市「CES」も、今年は初のオンライン開催となり、ディスプレー越しでの情報収集を余儀なくされた。長時間のフライトに揺られ、時差で眠い目をこすりながら広い会場を駆けずり回る必要がないのはありがたいのだが、実物に触れられないのはやはり隔靴掻痒(かっかそうよう)だし、出展企業数の大幅な減少で、内容の充実度という点で例年よりも劣るのは否めない。特に最近恒例となっていた日本の大手完成車メーカーの出展が1社もなく、その点でも寂しい開催となった。

初めてオンライン開催となった「CES 2021」(写真:CES 2021公式サイトのスクリーンショット)

ダイムラーとBMWが次世代ディスプレー

 そうした中で、自動車分野で気を吐いたのがドイツ勢だ。ダイムラーとBMWという高級車メーカーがそろい踏みし、しかも次世代の車載ディスプレーという同じテーマをアピールした。ダイムラーが今回のCESで発表したのが、次世代の高級EV(電気自動車)に搭載する大型ディスプレー「MBUX Hyperscreen」だ。新型ディスプレーはまず、2021年前半に発売される予定の新型EV「EQS」に搭載される予定だ。EQSは、ダイムラーのEV専用車「EQシリーズ」の最上位に位置するセダンで、同社は「EVのSクラス」と呼んでいる。その後、Eクラスに相当する「EQE」や、Bクラスに相当する「EQB」などが発売される予定だ。

今回のCES 2021でダイムラーCTOのSajjad Khan氏が発表した新型ディスプレー「MBUX Hyperscreen」(上)と、新型ディスプレーの搭載を予定する新型EV「EQS」(下、まだ発売前のため偽装している)(写真:ダイムラー)

 MBUXというのは「Mercedes-Benz User Experience」の略で、その第1世代品は既にメルセデス・ベンツブランドの各車に搭載されている。横長の大型ディスプレーに、メーター表示部分やカーナビゲーションの表示部分などを一体化したものだ。今回発表した新型ディスプレーは、このMBUXを発展させたもので、ディスプレーを助手席前にまで延長し、メーター、センターディスプレー、助手席用ディスプレーの3つのディスプレーを1枚の強化ガラス基板にまとめている。

続きを読む 2/3 タッチパネルかダイヤルか

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