このように動力性能には文句はないのだが、燃費に関してはやや期待外れだった。希薄燃焼とか最高熱効率から、かなりの好燃費を期待していたのだが、新型レヴォーグ(GT-H EX)のWLTCモード燃費は13.6km/L(GT-H EX)と、「SKYACTIV-X」エンジンを搭載したマツダ「CX-30」の15.8km/L(4輪駆動仕様)に比べると見劣りする。

 新型レヴォーグの1.8L・ガソリン直噴ターボエンジンと、CX-30の2.0L・SKYACTIV-Xエンジンを比較することには異論があるかもしれないが、どちらも希薄燃焼技術を採用していること、SKYACTIV-Xエンジンも過給圧は低いもののスーパーチャージャーと組み合わせた過給エンジンであること、最高出力が近いこと(レヴォーグの130kWに対してCX-30は132kW。ただし最大トルクはレヴォーグの300N・mに対してCX-30は224N・mと差がある)などからあえて比べてみた。

 実際に走行したときの燃費は、いずれも燃費計の読みで一般道では11〜12km/L、高速道路では15〜16km/Lと、一般道ではWLTC燃費(市街地モード)の10.0km/Lを上回ったものの、高速道ではWLTC燃費(高速道路モード)の15.3km/L並みだった。高速道路を走る頻度にもよるが、日常生活での燃費は12〜13km/Lというところだろう。SKYACTIV-Xを搭載したCX-30に試乗したときの燃費は市街地走行で13~14km/L、高速道路走行で18~19km/Lというところだったので、レヴォーグはこれには及ばない結果となった。期待の希薄燃焼エンジンは、出力は○だが、燃費は✕とは言わないまでも△というところか。

快適な静電容量式のステアリングセンサー

 注目のアイサイトXの使い勝手についても触れよう。そもそも新型レヴォーグに搭載されているアイサイトは、アイサイトXでなくても、従来のアイサイトVer.3から改良された「新世代アイサイト」である。ざっくりおさらいすると新世代アイサイトは、従来のアイサイトよりもカメラで監視できる視野を広げることによって、右折時に直進してくる車両との衝突回避や、交差点で横から接近してくる車両との出合い頭衝突の回避を支援することが可能になったほか、ブレーキ制御だけでは衝突回避が難しい場合には、ステアリング操作も併せて行う回避支援機能などを盛り込んでいる。

 アイサイトXはこれらの機能に加えて、「3D高精度地図」や準天頂衛星「みちびき」を活用した高精度GPS(全地球測位システム)の位置情報を組み合わせることで、カーブや料金所へ入る前に自動的に減速する機能や、方向指示器を操作すると車線変更時のステアリング操作を支援する機能も備える。さらに、高速道路で渋滞時(速度50km/h以下)に一定の条件を満たすと、ステアリングから手を離すことができる「ハンズオフアシスト機能」を搭載したのも大きな特徴だ。

新世代アイサイトとアイサイトXの機能の比較(資料:スバル)
新世代アイサイトとアイサイトXの機能の比較(資料:スバル)
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 試乗でアイサイトXを体験して、個人的に一番ありがたいと思ったのが新たに採用された静電容量式のステアリングタッチセンサーだ。アイサイトに限らずほとんどのADAS(先進運転支援システム)では、高速道路の単一車線を走行する際のブレーキ、アクセル、ステアリング操作がほぼ不要になるのだが、運転者はステアリングに手を添えている必要がある。

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