2019年秋に開催された第46回東京モーターショー2019で最初にマツダ「MX-30」を見たとき、筆者はちょっと戸惑った。マツダ初の量産EV(電気自動車)ということで、かなり期待していたのだが、実際に登場したMX-30は筆者の想像の斜め上を行っていた。

マツダの新型SUV「MX-30」(写真:筆者)
マツダの新型SUV「MX-30」(写真:筆者)

 これまで、既存の市販車をベースにしたものは別にして、各社のEV専用車は日産自動車の初代「リーフ」や、ドイツ・フォルクスワーゲン(VW)の初めてのEV専用車「ID.3」(このコラムの「VWとホンダのEVはどうしてこんなに違うのか」を参照)、あるいは英ジャガーの「I-PACE」のように、未来的なデザインを採用し、フロントにエンジンがないことを生かして、車体の長さの割に大きなキャビンを採用するなど、従来のクルマとの違いを強調するのが常だった。

 これに対してMX-30は、長いフロントフードをコンパクトに見えるキャビンと組み合わせた、従来のエンジン車のルールにのっとったプロポーションを採用している。SUV(多目的スポーツ車)でありながら、観音開きのドアを採用するなど、個性はあるのだが、EVであることと、直接の関係はない。はっきり言って、説明されなければこのクルマをEVだと気付くのは難しいだろう。「開発者の意図はどこにあるのか?」を、筆者の乏しい想像力ではさっぱり測りかねたのだ。

MX-30は観音開きの「フリースタイルドア」を採用する(写真:筆者)
MX-30は観音開きの「フリースタイルドア」を採用する(写真:筆者)

 そして筆者の混乱にさらに輪をかけたのが、2020年10月の初旬に開催されたMX-30のオンライン発表会である。それまでEV専用車(および小型ロータリーエンジンのレンジエクステンダーを搭載したプラグインハイブリッド車)だとばかり思っていたのに、国内でまず発売されるのは通常の排気量2.0L・直列4気筒の「SKYACTIV-G」を積んだ仕様で、EV仕様が発売されるのは2021年の1月だと発表されたからだ。

続きを読む 2/5 マツダの電動化を先導するクルマ

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