同様に、アレルクリーンプラスには抗アレルゲン剤も染み込ませてあり、抗アレルゲン剤にはタンパク質であるアレルゲンを変性(性質を変える)する作用があるため、肥満細胞(免疫に関係する細胞で、アレルゲンと反応するとヒスタミンなどの化学伝達物質を放出してアレルギー反応を引き起こす)とアレルゲンが反応しにくくなる(不活性化される)。

高い耐久性を評価

 今回、内田洋行がアレルクリーンプラスの採用に踏み切った理由は、自動車という過酷な環境にも耐える耐久性・信頼性が既に確保されていたためだという。実際、ホンダによる性能検証結果では、耐摩耗試験や耐熱試験、耐光試験などを実施した後でもインフルエンザウイルスの不活性率の目標値(99.9%)、ダニのアレルゲンを変成させる目標値(91.0%以上)、スギ花粉のアレルゲンを変成させる目標値(70%以上)をいずれもクリアしている。

 内田洋行は、長い時間を過ごすオフィスの快適性や、安心・安全を向上させるために、常に新しい機能素材を探しており、特に最近ではウイルスに対する意識の高まりから、今回アレルクリーンプラスを採用することに決めた。オフィスチェアに採用するに当たり、耐久信頼性については問題なかったが、課題になったのが生地の伸びである。クルマのシートは複数の布地を立体的に縫製してシート生地を製造するが、オフィスチェアでは1枚の生地を張り込んでいくため、生地に自動車用シート以上の伸びが要求された。

内田洋行が「アレルクリーンプラス」を採用したオフィスチェア「Elfie」(写真:ホンダ)
内田洋行が「アレルクリーンプラス」を採用したオフィスチェア「Elfie」(写真:ホンダ)

 抗ウイルス性を備えたシート生地ということで、読者の皆さんが関心があるのは、何といっても新型コロナウイルスが不活性化されるのかどうか、ということだろう。こんな疑問をホンダの開発担当者にぶつけてみると「試験に使うウイルスが入手できないため、現状では検証できていない」という。ただ、以前から知られているコロナウイルスであれば入手できる可能性があるので、今後評価してみたいと考えているようだ。

 こうした抗ウイルス性を備えたシート生地は、自家用車もさることながら、タクシーやバス、さらには電車、飛行機など、不特定多数が利用するにもかかわらず洗濯しにくい様々なシートで、今後強いニーズがあるに違いない。筆者自身、電車のシートを利用することに何となく抵抗を感じる今日このごろではあるのだが、ウイルスを不活性化するシート生地が普及してくれれば安心して利用できそうだ。

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ウェビナー開催、「なぜ世界はEVを選ぶのか」(全2回)

 日経ビジネスLIVEでは2人の専門家が世界のEV事情を解説するウェビナーシリーズ(全2回)を開催します。

 9月30日(金)19時からの第1回のテーマは「2035年、世界の新車6割がEVに 日本が『後進国』にならない条件」。10月14日(金)19時からの第2回のテーマは「欧州電池スタートアップのCTOが現地報告、巨大市場争奪の最前線」です。各ウェビナーでは視聴者の皆様からの質問をお受けし、モデレーターも交えて議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。


■第1回:9月30日(金)19:00~20:00(予定)
テーマ:2035年、世界の新車6割がEVに 日本が「後進国」にならない条件
講師:ボストン コンサルティング グループ(BCG)マネージング・ディレクター&パートナー滝澤琢氏

■第2回:10月14日(金)19:00~20:00(予定)
テーマ:欧州電池スタートアップのCTOが現地報告、巨大市場争奪の最前線
講師:フレイル・バッテリー(ノルウェー)CTO(最高技術責任者)川口竜太氏


会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
主催:日経ビジネス
受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。

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