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 むしろライズの内装で気になるのはインストルメントパネルやドアトリムの質感である。いかにも無塗装の樹脂がむき出しという感じで、ここは大面積の光沢のある樹脂パネルを張ったクロスビーのインパネのほうが質感の演出や、SUVらしさの表現という点ではうまいと思った。タントのインパネもけっして質感は高くなく、DNGAを採用した新世代車種では、内装の質感が一つの課題だと感じた。

インストルメントパネルの質感はあまり高くない(写真提供:トヨタ自動車)

 燃費は、比較的流れのよい一般道で16.5km/L、高速道路では20km/Lという結果だった。新世代CVTの「D-CVT」は、変速比幅を従来の5.3から7.3まで拡大したのが特徴だが、時速60kmでのエンジン回転数は1750rpm、時速100kmでは2400rpmで、特段低く抑えているという感じはしなかった。もちろん、この回転数でもエンジン騒音は低く、またこの程度の高速燃費が出ているのなら文句はないのだが、想像していたほどエンジン回転数を低く抑えるセッティングではないようだ。

 D-CVTには変速比幅の拡大に加え、高速域で伝達効率が8%向上するという特徴があり、燃費にはむしろこちらが効いているかもしれない。ただ、以前のコラムで紹介したように、競合するスズキのクロスビーは一般道で18.9km/L程度の燃費を示しており、少なくとも中低速域ではマイルドハイブリッドの効果もあってクロスビーのほうが燃費では有利のようだ。

 ここまで、エンジン音や内装の質感で厳しめの言葉を連ねてきたが、今回試乗したライズは「G」という中間グレードの4輪駆動仕様で、価格は213万3700円という普及価格帯のクルマだ。軽自動車でも、装備を足していくと簡単に200万円を超える昨今、200万円そこそこで買えて、コンパクトなサイズに十分な室内スペースと荷室を備え、さらにパワーでも不満がないクルマというのは貴重だ。だから売れ行きがいいのもうなずける。コンパクトカーの主流も、ハッチバック車から、こうしたSUVへと移り変わっていくのかもしれないと、ライズを見ながら思った今回の試乗だった。

■修正履歴
1ページ目の本文中、『「兄弟車種であるトヨタ「ブーン」」は「兄弟車種であるトヨタ「タンク/ルーミー」』の間違いでした。お詫びして訂正いたします。[2020/05/20 19:00]