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 ボディー剛性は、さすがにセンターピラーを備え、スライドドアでもないだけあって、タントよりもしっかりしている。乗り味としては、スズキの最近のクルマに似ていて、必要十分な剛性の車体に、バランスのとれた足回りを組み合わせているという印象だ。サスペンションからの衝撃も、車体がだらしなく振動することなく受け止める。

 ただ、サスペンションのばね自体は割と硬めで、路面の凹凸もはっきり伝えてくるし、いったん車体が揺すられると、それが即座に収まらないので、車体の挙動はあまり落ち着いていない。同じコンパクトSUVでも前々回に試乗したDS3クロスバックのようなどっしりした乗り味とは違う。

 タントを取り上げたこのコラムでも紹介したように、ダイハツはDNGAの開発で、視線のブレや頭部の揺れを抑えることでドライバーの疲労を軽減することを目指したという。しかし今回の試乗では、残念ながらそれほどフラットな乗り味とは感じられなかった。

広い室内と荷室

 室内は広い。前席は言うに及ばず、後席も膝の前にこぶし二つ以上の余裕がある。またドライバーズシートも座面がわずかに短い感じがするが、座り心地は良好だ。筆者が重視する腰の支持も十分で、高めの着座位置と相まって、長時間の運転でも疲労は少ない。角張ったボンネット形状のため、車両感覚がつかみやすく、5ナンバーサイズに収まったコンパクトな車体も手伝って、狭い場所での取り回しもラクだ。荷室スペースも、全長約4mのクルマとしては十分に確保している。こういった空間の活用という点では軽自動車での経験が十分に生きていると感じる。

室内には十分なスペースが確保されている(写真提供:ダイハツ工業)

 競合するスズキのクロスビーは、全長がライズよりも235mm、ホイールベースが90mm短いにもかかわらず、カタログ上の室内長が2175mmと、ライズ(およびロッキー)の1955mmよりも長い。ただしこれはクロスビーの後席を再後端までスライドさせた場合の数字で、このときの荷室はミニマムになってしまう。ライズの後席はスライド機構は備えないが、それでもスペースが十分なのは先に説明した通りだ。