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残念なエンジン音

 では、今回も走り出してみよう。まず感じるのは、軽快な走りだ。ライズのパワートレーンは、排気量1.0L・直列3気筒のガソリンターボエンジンだ。軽自動車用の3気筒エンジンと基本設計を共用する兄弟エンジンで、最近のガソリンターボエンジンでは珍しく直噴ではないコスト重視のタイプだ。

 競合するスズキのクロスビーが、同じ1.0L・3気筒のガソリンターボエンジンでも直噴なのに比べると出力面では不利で、クロスビーに搭載するエンジンが最高出力73kW、最大トルク150N・mなのに対して、ライズ(ロッキー)は72kW、140N・mと若干下回る。

ライズ(ロッキー)に搭載された排気量1.0L・直列3気筒ガソリンターボエンジン(写真:ダイハツ工業)

 またクロスビーは最高出力2.3kWのモーターと組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを搭載しており、燃費の面でも有利である。にもかかわらずライズのJC08モード燃費は21.2km/L(4輪駆動仕様)と、クロスビーの20.6km/Lを上回っているのは立派だ(ただし、後で触れるように、筆者が試乗した限りでは実用燃費でクロスビーを下回る結果となった)。

 先ほど、エンジンの出力、トルクではクロスビーを下回るという話をしたのだが、実際にアクセルを踏み込んでみると1040kg(今回試乗したGグレードの4輪駆動仕様)という軽い車両重量も合まって、交通の流れを容易にリードできる加速が得られる。

 信号の停止から発進するときの加速では、それほどターボラグは感じないが、急加速しようとした場合には多少の遅れはある。また、アクセルを緩めたときの空走状態では、いかにも駆動系の摩擦が少ない感触が伝わってくる。

 なので出力特性としてはまったく問題ないのだが、残念と感じたのがエンジン音だ。というのも、まるで軽自動車のエンジンのような音なのだ。このコラムで前回乗ったヤリスも、その前の回のDS3クロスバックも3気筒エンジンだったが、こんな軽自動車のような音はしなかったし、過去に試乗した登録車の3気筒エンジン搭載車でも、ここまで軽自動車のようなエンジン音のクルマには乗ったことがない。

 先に説明したように、ライズに搭載されているエンジンは基本設計を軽自動車用エンジンと共有しているから、同様なエンジン音がしてもさほど不思議ではないのだが、せっかく登録車に乗っているのに、ちょっと気持ちが萎える点だ。