このコラムの「XじゃなくてもDで十分と思ったマツダ3」で予告した通り、今回はマツダの新世代エンジン「SKYACTIV-X」の体験リポートをお届けする。搭載車両は「マツダ3」に次ぐマツダの新世代商品第2弾の「CX-30」である。

特異に低い全高
CX-30はマツダ3のSUV(多目的スポーツ車)版といえる車種で、車体の大きさは「CX-3」と「CX-5」のちょうど中間に位置する。全長ではCX-3より120mm長く、CX-5よりは150mm短い。ただし全高はCX-3より10mm、CX-5よりは150mmも低い。またベースとなったマツダ3に比べると、全長が65mm短く、ホイールベースは70mmも縮めている。街中での取り回し性を向上させるために、全長を4400mm以下に抑えることが開発チームの最重要課題だったという。

ではネーミングは「CX-4」でいいではないかということになるのだが、実はマツダには中国だけで販売しているCX-5ベースのSUVでCX-4という車種がすでにあり、このネーミングは使えなかった。そこで新しいネーミングルールを採用したというわけだ。マツダ3と同様に、3という数字がネーミングに入っているのはCセグメントの車種であることを表す。
きっと今後、CX-5も全面改良したらCX-50というネーミングになるのだろう。3という数字がCセグメントを指すネーミングルールはアウディと共通(A3やQ3がCセグメント)するし、二桁の数字でネーミングするのはボルボと共通(V60、XC40など)する。
またCX-30の1540mmという全高は、立体駐車場に入るサイズに抑えるためだが、このクラスでは特異に低い。CセグメントのSUVというと、国内での競合車種としてはトヨタ自動車の「CH-R」、三菱自動車「エクリプスクロス」、スバル「XV」があり、海外メーカーの競合車種としてはドイツ・フォルクスワーゲンの「ティグアン」、ドイツ・アウディの「Q3」、ドイツBMWの「X1」、スウェーデン・ボルボの「XC40」などが挙げられる。
これらのうち、欧州勢は全高1595mmのQ3と1600~1610mmのX1を除いて軒並み全高が1650mm以上あるから、CX-30はこれらより100mm以上も低いことになる。デザイン重視のCH-Rの1550mmや、ハッチバック車の「インプレッサ」をベースとしたXVの1550mmをも下回っているのにはちょっと驚かされる。もっともXVは最低地上高が200mmと、CX-30の175mmを上回っており、XVをインプレッサベースのお手軽SUVと思っていた筆者は、そのスペックの本格的なことにちょっと認識を改めた。
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