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回転数を抑えた走り

 もう1つの気になっていたポイントである新開発のCVTについてはどうだろうか。今回借り出したモデルがターボエンジン搭載車だったこともあり、動力性能自体には不満がない。チェックしたかったのはやはり高速道路での走行特性だ。今回の試乗では、筆者の運転のクセを排除するため、時速100kmでACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)をセットして、エンジンの回転数がどの程度になるかを見てみた。

 平らな道を走行しているときのエンジン回転数は2500rpm程度で、過去に試乗した競合車種のホンダの「N-BOX」が3500rpm程度だった(参照記事)のに比較すると低い。ただこれは、タントがターボエンジンを搭載しているのに対し、N-BOXは自然吸気エンジンだったため、トルクに差があるのを反映した結果であり、CVTの差とは必ずしもいい切れない。

 例えば、より背が低くその分、空気抵抗の少ない三菱自動車の「eKクロス」(自然吸気エンジン仕様)に試乗したとき(参照記事)には時速100km巡航で2500rpm程度まで回転数が下がることもあった。eKクロスのCVTの変速比幅は5.97と、新型タントの6.7よりも狭いのだが、少なくとも変速比の幅が6程度あれば、時速100km程度までの走行ではエンジン回転数にそれほど差は出ないようだ。このように、今回の試乗ではD-CVTの優位性をはっきりと実感できたわけではないのだが、少なくとも高速道路巡航はエンジン音も低く快適で、シートの出来がいいことも含めて、ロングドライブが苦にならないクルマであることは確かだ。

 燃費についても触れておこう。平均燃費計の値では、新型タントが高速走行時で18~20km/L、交通量の少ない郊外路で17~18km/L、混雑した市街地で15~16km/Lと、N-BOX(自然吸気エンジン仕様)よりはいずれの条件でもやや劣る結果となった。ただこれも、自然吸気エンジンとターボ仕様の差が含まれていると考えられるので、正確な比較は同じタイプのエンジン同士でする必要があるだろう。

 このように、エンジンからプラットフォームまでDNGA技術ですべてを一新した新型タントだが、競合車種に対して明確に優位に立ったかというと、必ずしもそうとは言い切れない。しかし、それもそのはず。今回比較したeKクロスやN-BOXもそれぞれプラットフォームからエンジンまですべてを刷新した最新世代の車種だからだ。従ってタントを選ぶかどうかは、やはりセンターピラーのない広い開口部に魅力を感じるかどうかが一番のポイントになりそうだ。

■変更履歴
タイトルに「 新型タントでダイハツの次世技術DNGAの実力を試す」とあったのは、正しくは「 新型タントでダイハツの次世代技術DNGAの実力を試す」でした。お詫びして訂正いたします 。[2019/12/4 15:00]