それにしても、このところのトヨタの急変ぶりには驚くばかりだ。このコラムの「トヨタがいよいよ「モビリティサービス」に本気」でも触れたように、トヨタは従来「“愛車”というように愛のつく工業製品はクルマだけ」だとして「所有する喜びが感じられるクルマ」にこだわっていた。
その姿勢が一変したのが2018年1月に開催された世界最大級の家電見本市「CES 2018」だ。モビリテーサービス専用EV(電気自動車)のコンセプト車「e-Palette Concept」を出展し、豊田社長は「トヨタを『自動車をつくる会社』から、『モビリティ・カンパニー』にモデルチェンジすることを決断した」と宣言した(参照コラム)。あれから1年と10カ月、今回の東京モーターショーのトヨタブースは“e-Paletteもどき”で埋め尽くされた。
最も目立つ位置に展示されたのが、e-Paletteの「東京2020オリンピック・パラリンピック仕様」である。CES 2018に展示されたのがモックアップに近いものだったのに比べ、今回のオリ・パラ仕様は実際に選手村に十数台導入し、選手村内の巡回バスとして大会関係者や選手の移動に使われる予定だ。低床フロアや電動スロープ、停留所への正着制御(バス停と車両の間の隙間が非常に小さくなるよう停車する制御)により、車いすを利用する人にも乗降しやすくしている。

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