圧巻のPHEVラインアップ

 ダイムラーが電動化の意気込みを示したのはコンセプト車だけではない。このショーでは新型EVとしてミニバンの「Vクラス」をEV化した「EQV」や、2人乗り小型車「smart fortwo」をEV化した「smart EQ fortwo」を出展した。

2020年から発売する新型EV「EQC」は専用のプラットフォームを採用するが、今回のショーでは既存の車種をベースにしたミニバンのEV「EQV」(左)や、小型2人乗り車のEV「smart EQ fortwo」(右)を出展した。
2020年から発売する新型EV「EQC」は専用のプラットフォームを採用するが、今回のショーでは既存の車種をベースにしたミニバンのEV「EQV」(左)や、小型2人乗り車のEV「smart EQ fortwo」(右)を出展した。
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 加えて、一挙に5車種ものPHEVを公開したのも特徴だ。高級SUVの「GLE 350 de 4MATIC」は排気量2.0Lのディーゼルエンジンを搭載したPHEVで、容量31.2kWhの電池を搭載し、約100km(NEDC:新欧州ドライビングサイクル)のEV走行が可能だ。CO2排出量は29g/kmである。中型SUVの「GLC 300 e 4MATIC」は2.0Lのガソリンエンジンを積み、電池容量は13.5kWhで、46~49km(NEDC)のEV走行ができる。CO2排出量は51~57g/kmである。

 残りの3車種は小型ハッチバック車の「A250 e」、小型セダンの「A 250 e Saloon」、それに小型ワゴン車の「B 250 e」だ。いずれも排気量1.3Lのガソリンターボエンジンに出力75kWのモーターと容量15.6kWhの電池を組み合わせ、EV走行可能な距離は70~77km(NEDC)、CO2排出量は32~36g/kmである。

今回のショーで発表した小型ハッチバック車のプラグインハイブリッド車「A250 e」。
今回のショーで発表した小型ハッチバック車のプラグインハイブリッド車「A250 e」。

 これでダイムラーは、小型車から高級サルーンまでメルセデス・ベンツブランドにPHEVを15車種(同じ車種のワゴンとセダンも別に数えた場合)そろえることになる。ただしこれらの車種に搭載するハイブリッドシステムはいずれも、自動変速機のトルクコンバーターをモーターで置き換えたもので、ハイブリッドシステム自体は1モーター式のシンプルな方式だ。車両レイアウトの大きな変更も必要ない。ダイムラーはこれらのPHEVに「EQ Power」というブランドを付けており、純粋なEVのブランドである「EQ」と共通性を持たせつつも区別している。

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