全4327文字

 しかしホンダは19年7月のホンダミーティングで、今後の本命を2モーター式と位置づけ、1モーター式と3モーター式は新規開発をしない姿勢を鮮明にした。その理由は、今後の燃費向上には2モーター式のほうが有利だからだ。1モーター式のハイブリッドシステムの考え方は、低速走行や加速時などエンジンの効率が悪い領域においてモーターで駆動力を補う一方、減速時などにはモーターを発電機として使って運動エネルギーを回生することで燃費を向上させるというものだ。しかし、i-DCDのモーター出力は先に触れたように22kWと、エンジンの出力(フィットハイブリッドの場合で81kW)に比べて大幅に小さい。このため実際の走行はエンジンの駆動力に頼る部分が多く、燃費を向上させるのには限界があった。

1モーター式ハイブリッドシステム「i-DCD」の構成。DCTの中にモーターを組み込み、駆動力を補助する(資料:ホンダ)

 これに対してホンダの2モーターハイブリッドであるi-MMDは、駆動力のほとんどはモーターで生み出し、エンジンは主に発電に使う。低速走行時でもエンジンの効率のいい領域で運転することが可能なため、燃費の向上に有利だ。高速道路走行ではエンジンの効率がよくなるため、エンジンと駆動輪を直結する。ただし、理屈のうえではそうなのだが、実際にアクセルを踏み込んでもエンジン回転数が上昇せず一定のままだと、ドライバーの運転感覚に合わないため、アクセルの踏み込みに合わせてエンジン回転数を上昇させる。それでも、1モーター式よりはエンジンを効率のいい領域で運転できる。

ハイブリッドの主流に?

 ホンダの2モーター式ハイブリッドである「i-MMD」自体は、既に同社の「アコード」や「CR-V」「ステップワゴン」などの車種に使われ、目新しいものではない。基本的な構成自体は三菱自動車の「アウトランダーPHEV」や、日産自動車の「ノート」や「セレナ」に搭載されている「e-POWER」と同じだ。