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レベル3の自動運転が可能に

 この道路交通法の改正によって、日本では「レベル3」の自動運転車が商品化できる環境が整った。道路交通法の改正についてはすでに年初のコラム「日産・ルノーの行方は? 手放し運転が実用化?」でも取り上げているので、内容がいくらか重複するのをお許しいただきたいのだが、まず自動運転の「レベル3」とは何かということから説明しよう。

 まず現在実用化されている「レベル2」の自動運転について理解いただく必要がある。これは自動ブレーキ、車線維持支援、ステアリング操作の自動化など、複数の機能を組み合わせて、高速道路で同じ車線を走り続けるなど、限定した条件の自動運転を実現する段階である。ただし人間は常にシステムの動作状況を監視する必要がある。

 これに対してレベル3の自動運転がレベル2と最も違うのは、ある限定された条件下でシステムの監視義務が不要になることだ。ただし、限定された条件から外れたり、システムが機能限界に達したりした場合には、人間に運転を移譲する。

 現状のレベル2の自動運転では、ステアリング、アクセル、ブレーキなどの操作は自動化されているものの、ドライバーが過度にシステムに依存するのを防ぐために、ステアリングから一定時間(通常は10秒程度)以上手を離していると、自動運転モードを解除するように設定されている。自動運転というよりも、運転支援システムに近い位置づけだ。これに対しレベル3では、条件付きではあるのだが、人間はステアリングから手を離すことができ、システムの監視義務からも解放される。つまり、本来の「自動運転」に近づく。

 今回の道路交通法の改正により、ある条件を満たせばドライバーを「システムの監視義務」から解放することが許されるようになった。その条件が先ほども触れたように、ドライバーがすぐに運転を代われる態勢にあること、である。だからシステムの監視義務から解放されているといっても、居眠りをしていたり、コーヒーを飲んでいたり、ということは認められない。