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CASE対応を見据える

 DNGAは将来の電動化やコネクテッドサービスといったいわゆる「CASE(コネクテッド、自動運転、シェア&サービス、電動化)」を見据えた設計構想を盛り込んでいるのも特徴の1つになっているが、今回の発表でそれほど具体的な説明はなかった。今後ハイブリッド仕様やEV(電気自動車)仕様などを追加する場合に、バッテリーやモーターを搭載する場所も考慮に入れたエンジンルームやフロアの設計になっているということだろう。

 このようにDNGAは、これからのすべてのダイハツ車の基礎となる技術なので内容が非常に盛りだくさんではあるのだが、筆者が注目したのは次の2点だ。1つは軽量化と剛性向上を両立した車体骨格、そしてもう1つが新開発のD-CVTだ。

 まず車体骨格なのだが、筆者が面白いと思ったのはフロアの骨格構造である。以前このコラムの「似ている? “次世代スバル”と『SKYACTIV』」でも取り上げたのだが、最近の各社のプラットフォームは、フロントのエンジンルームからフロア下につながるフレームを、斜めに配置しているのが特徴だ。

 フロントからの荷重をなるべく滑らかに、連続した形状で車体後方に伝えるためだ。具体的には、マツダ、スバル、スズキの新世代プラットフォームがこうした斜め配置のフロアフレームを採用している。

DNGAのプラットフォームではフロア下のフレームが途中で斜め配置になる骨格構造を採用した(図:ダイハツ工業)

 今回発表されたDNGAの車体骨格を見ると、こうした各社の考え方は踏襲しつつも、最初から斜めにするのではなく、フロントからまっすぐにつながってきたフレームが途中で斜めに曲がってリアのフレームにつながっている点が異なる。どうしてこのような形状になったのだろうか。

 ダイハツの担当者によれば、他社のようにフレームがフロア下に入ってすぐ斜めになる配置だと、正面衝突時などのように強い衝撃が前から加わった場合、この曲がった部分で屈曲してしまう可能性があるため、フロア下に入ってもしばらくまっすぐに続けて、途中から曲げる配置にしたという。目指す方向は同じでも、でき上がった形状が異なるというのは興味深い。