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デジタル3次元地図を初搭載

 こうした新機能を実現するために、プロパイロット2.0は1.0にはなかった多くの要素技術を搭載している。

 まず挙げられるのが、3D高精度デジタル地図データ(HDマップ)だ。乱暴に言えば、これまでのプロパイロットのステアリング操作はカメラで道路の白線を認識し、そこからはみ出ないように制御していたにすぎない。車両が今どこを走っているのかをシステムは把握していなかった。これに対して今回のプロパイロット2.0は道路の形状を3次元的にデジタル化した地図データをシステムに内蔵している。

 道路の形状だけでなく、案内看板など道路周辺の物体(ランドマーク)も併せてデータ化している。この地図データとGPS(全地球測位システム)からのデータを照合して、自分の車両が今どこを走っているかを道路の幅方向には5cm程度、進行方向に対しては1.0m以内の誤差で割り出す。GPSは10m程度の位置誤差があるのだが、それで地図上のどのあたりにいるのか見当をつけ、道路上の案内看板がカメラでこの位置に見えているから車両はこの位置にいるだろうという精密な位置決めをする。ランドマークとランドマークの間は、タイヤの回転数や車両の向きから位置を推定する。

 1.0では不要だったデジタル地図が、どうして2.0では必要になったのか。1つの理由はナビ連動機能の実現のためだ。システムが作動可能になったらドライバーに知らせる機能は、自車両がどこを走っているかが分からなければ実現できない。そしてもう1つの理由はスムーズで正確なステアリング操作のためだ。現在はカメラで道路形状を見ながらシステムがステアリングを切っているが、道路形状が変化する場合には応答はどうしても遅れがちになり、操作の修正も多くなる。デジタル地図を持っていれば道路形状の先読みができるのでステアリングをスムーズに操作できる。

 より切実なのが道路形状の読み間違い防止だ。筆者もプロパイロット1.0の動作中に経験があるが、高速道路の白線を引き直した箇所で、古い車線をカメラが認識してそれに合わせてステアリングを切ろうとしたことがある。ステアリングに手を添えていたので問題はなかったが、プロパイロット2.0のように手放し可能なシステムだとドライバーの反応は遅れるはずだ。デジタル地図を持っていればこういう読み間違いもなくなる。