今回対象の8418社のうち株の所有状況の詳細が判明しているのは3812社。このうち、特定の個人・企業が100%の株を持つ会社が1127社、3分の2以上を持つケースまで含めると2071社ある。その大半は特定の個人による所有となっている。やや粗い計算になるが、2社に1社は強い影響力を持つ個人がいることになる。

 こうした企業は従業員数の中央値が5人と規模が小さく、ファミリーによる小規模な経営が浮かび上がる。事業所数別にみた場合、10カ所未満が95%を占めている。規模別にみたとき、給油所運営は家族経営の小規模な会社が少なくない。

給油所運営会社、事業所数(横軸)別の社数
給油所運営会社、事業所数(横軸)別の社数
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 一方で、今回の調査企業のうち上位1%は25事業所以上を持っている。中には200カ所以上の給油所数を運営するケースが5社ある。例外ともいえる存在だが、こうした企業は都道府県の枠を超えて事業展開している。ガソリンの激安店として知られる会社などもあり、従業員1000人を超える大規模な会社もある。

1人当たり月間売上高と企業年齢の関係はU字型の分布

 1人当たりの月間売上高の中央値でみた場合、25事業所以上の会社が885万円に対し、それ以外の企業は345万円にとどまった。また、利益率を算出できる70社を対象に分析したところ、利益率の中央値は0.5%。25事業所未満のうち利益率が算出できる4208社の平均が0.6%であることに比べると低い結果となった。1人当たりの月間売上高と企業年齢の関係について、こちらはU字型の分布になっている。

 今回の調査結果について、山本教授は「自動車のEV化や高齢化、地方部の人口減少など、給油所を取り巻く経営環境は厳しい。一方、社会インフラとしての重要な役割も担っている。今後の給油所の経営を考える際には、ファミリービジネスや老舗、地域企業といったこれまでにはない視点を用いる必要がある」とみている。東京商工リサーチの進氏は「単純に人を減らしても1人当たりの売上高の向上につながらない。多角化で地域の生活拠点化を図るべきだ」と話している。