全2095文字

 焼酎も100年を超えており、これはおおむね大正に入る時期に事業をスタートしたことになる。清酒と同様に業歴の長い老舗が多いが、違いは若い会社が一定数存在すること。社数ベースで業歴が短い会社から5%をみたとき、清酒は事業を始めてから45年が境目になるのに対し、焼酎は事業を始めてから9年が境目になる。「清酒も焼酎も長い歴史を持つ業界だが、その中身は意外なほど違いがあり、興味深い」(山本准教授)。焼酎ブームのなかで一時、異業種からの参入が相次いだことなどが影響しているもようだ。

焼酎会社の社歴別の分布

 これらに比べるとワインはぐっと短く55年。これは昭和30年代の東京オリンピックの時期と創業期が重なる。ビールはやはり平成に入ってからの事業スタートであり、平均の社歴は21年となった。お酒の種類とそれぞれのメーカーの創業期が明治、大正、昭和、平成に対応しているのは興味深い。

 次いで従業員数を中央値で比べた結果、清酒8人、焼酎10人、ワイン6人、地ビール5人の順番となった。いずれも企業規模は小さく、創業ファミリーを中心に事業を細々と受け継いでいる姿が浮かぶ。

 清酒は社員数25人までに9割の会社が入り、同じ比率では地ビールとワインが30人、焼酎が45人までとなっている。「社歴の長さと考え合わせると、特に清酒はファミリービジネスらしく成長よりも事業の継続を志向しているといえるだろう」(山本准教授)

1人当たり売上高は焼酎がトップ

 業績面から従業員1人当たりの月間売上高を平均値で比較すると焼酎が約314万円とトップ。地ビールが2位の約266万円となり、清酒は約216万円にとどまった。もっとも少ないワインは約168万円となり、トップの焼酎と大きな差がついた。

 さらに利益率を比べると平均値では焼酎が3.6%とここでも首位。以降は清酒、ワイン、地ビールの順となった。ただし、中央値でみるとワイン、清酒、地ビール、焼酎の順となる。「焼酎は売れる一方で、利益の上げ方、つまり経営には企業間格差が非常に大きい可能性がある」と山本准教授はみている。

 最後に経営者のプロフィールを比べてみよう。今回は大卒者をピックアップし、出身大学を調べてみた。