子どもの貧困に目が向かない理由

苦しい状況に置かれた子どもへの対応を急ぐ必要がありますね。

渡辺氏:そもそも子ども関連予算が圧倒的に少ないです。アメリカはコロナの対策として、ファミリープランとして、いろいろな働く親をサポートするために1兆ドルを出しますと。その中で2年制のコミュニティーカレッジの授業料無償化の予算として1090億ドルを投資します。

 そういうことをほかの国はみんなしようとしているのに、日本はあまりにもまったくそこに対する目がなさすぎて。

渡辺さんは、なぜ、貧困状態にある子どもたちが放置されるとお考えですか?

渡辺氏:今年4月に実施した、私たちがサポートする家庭への調査では、78%が新型コロナのせいで減収したと答えています。しかし一方で、大部分の正規雇用の方や年金受給の方は減収していません。非正規雇用の方、イベント業や飲食業など特定の業種の方に減収被害が集中しています。そのために、コロナによる困窮が伝わりづらいと感じています。

確かに、そういう面はありますね。

渡辺氏:コロナの影響で大きな収入減に見舞われている方々は、自分ではどうしようもない中で、まったく仕事ができないわけです。止むを得ず食費を削るしかないのです。成長期に栄養状態が悪いと、体格や健康など、長期にわたって影響が出る恐れもあります。 学力に関しても、私たちの調査では、休校などコロナの影響でお子さんの学力が下がったという方が46.5%に上りました。また、不登校になったお子さんも8%。大変な数字です。

その子どもたちは、将来の日本を背負うわけですよね。日本は自分の首を絞めていませんか?

渡辺氏:少子高齢化だからこそ、一人ひとりの子どもを大事にして、しっかりと稼いでくれる大人になってもらうことが大事ではないでしょうか? 「自助」を押し付けて、お腹を空かせた子どもをそのままにしてしまうことは、将来の貴重な稼ぎ手を潰してしまうことになりかねません。

<第2回に続きます>

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