Jumiaという会社は一夜にして、BtoBのサプライチェーンとBtoCのサプライチェーンとをつなげて、レストラン向けに使ってきた自社の生産能力をうまく転用(repurpose)し、消費者向けに仕立て上げた。

 私が農家だとして、農産物がホテルで使われるだけの契約なら、一夜にしてそのビジネスが消えたはずだ。だがおそらく自宅にいる人々、エンドユーザーにも同じ農産物が売れるだろう。TriggerやJumiaのような電子商取引のプラットフォームは、技術がとても柔軟で、互いのシステムにアクセスするのが容易だった。そしてBtoBのサプライチェーンを素早く転用し、市場を変えることができた。

 新型コロナがもたらしたセレンディピティーが、(大して努力していなくても)たまたま幸運につながった組織も多少はあった。しかし重要なのは、なぜ自分たちが成功したのかを理解することだ。それを戦略的優位の鏡に照らして、運任せにせず、もっと前に進むことはできないか考えるべきだ。

BtoBとBtoCの仕組みを共存させる

 未来に起こるかもしれないイベントの予測に基づいたビジネスモデルをつくるのではなく、どんなイベントが将来起こっても、舵取りができるビジネスモデルを構築しなければいけないからだ。

例えば、BtoBと、BtoCとの間を行ったり来たりする能力が必要であると。

ハシジャ氏:こうしたことはすべて、自分たちは、テクノロジーとビジネスモデルを、適切に使うことができたのか?という自問に行き着く。もし、適切に使えていたのならば、アジャイルな対応に成功したことになり、大きな優位性につながるだろう。

次ページ 「動かす人」と「夢見る人」のバランス