自社製品やサービスを売る市場を切り替えるために、テクノロジーを使えば一夜にして仕事のやり方を変えられる。サプライヤーを替え、製品と製品の特性を変えるのだ。そうしたアジリティーがあれば、危機からより素早く脱出できる。

 そうできなかった組織を見てほしい。例えば、トイレットペーパーの確保は、危機下で、世界中で最大の問題になったのは記憶に新しい。

 コロナ禍の混乱の中で、消費者のトイレットペーパー需要は急増した。実はその一方で、商業施設の業務用トイレットペーパーの需要は減少していた。誰もレストランやホテルに行かないからだ。しかし業務用トイレットペーパーは、パッケージが大きいという特徴がある。

 その様子を見て私は、消費者向けにより小さなパッケージの商品を作るために、リソースやロジスティクス、サプライチェーンやその受け入れ能力の目的を見直すことがいかに難しいかが、改めてよく分かった。システムがアジャイルではなかったため、現場は実に苦労した。素早くパッケージのサイズを消費者向けに切り替える能力がなかった。

 そうした残念なケースが多く見られた一方、「アジリティー」を発揮した会社がアフリカにある。アフリカでは、BtoBの農業ビジネスが苦境に陥った。ホテルやレストランが製品を買わなくなったからだ。ところが、BtoC市場は大盛況だった。人々が家にいたからだ。

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