新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない。政府は東京都に4度目となる緊急事態宣言を出した。新規感染者数や重症患者数の推移や社会・経済活動との関係について、東京大学の仲田泰祐准教授に聞いた。

<span class="fontBold">仲田泰祐(なかた・たいすけ)氏</span><br>2003年米シカゴ大経卒、12年米ニューヨーク大経済学博士。12~20年にかけて米連邦準備理事会(FRB)でエコノミスト・主任エコノミスト。20年から東京大学大学院経済学研究科 及び 公共政策大学院 で准教授。(写真:ロイター=共同)
仲田泰祐(なかた・たいすけ)氏
2003年米シカゴ大経卒、12年米ニューヨーク大経済学博士。12~20年にかけて米連邦準備理事会(FRB)でエコノミスト・主任エコノミスト。20年から東京大学大学院経済学研究科 及び 公共政策大学院 で准教授。(写真:ロイター=共同)

東京五輪・パラリンピック開催による新型コロナウイルス感染拡大への影響をどう分析されていますか。

仲田泰祐・東京大学准教授(以下、仲田氏):東京五輪については、まず選手や関係者、ボランティアが五輪会場に往来する直接的な影響はそもそも対象人口が少ないため限定的です。

 一方で、五輪開催でのお祭りムードが広がり、それによる個人レベルでの感染予防の低下、解放感による人出の増加といった間接的影響が要注意で、こういった影響は東京の人口約1400万人が対象となります。これだけの人が普段よりリスクが高い行動を同時に取れば、新規感染者数や重症患者数への影響も大きくなり得ます。

 しかし、東京都に4回目となる緊急事態宣言が出て、五輪のほぼ無観客開催が決まったことで、満員の国立競技場をテレビで見てお祭りムードが広がる、自粛意欲が低下するといった「負のアナウンスメント効果」が限定的になると考えられます。従って、先ほど述べた間接的影響が大きくなるリスクは、緊急事態宣言が出ていない場合に比べると小さいです。

 五輪開催が感染に与える影響については、5~6月にかけて分析を行い幾つかのリポートを発表しました。ホームページに掲載しています。

続きを読む 2/3 あらゆる活動を抑止しようとすれば社会・経済に深刻なダメージ

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