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駐在員ら、在中日本人のケアを

 この「全社会」の中には外国人も含まれる。当然、中国に長期滞在している駐在員やその家族、留学生など幅広い層の日本国民も対象となっている。

 そのような中、日中間のビジネス往来再開に向けた動きが進んできた。現在中国に入国すると、指定のホテルで14日間の完全隔離生活が義務付けられているが、ビジネス目的の短期滞在者の入国に関しては、このホテル待機が免除されるという。

 しかし、これは駐在員などを対象とする中長期滞在者には適用されない。つまり、現在中国に在住する駐在員が日本に一時帰国する場合、中国に戻ったときに再び2週間の隔離生活を余儀なくされてしまう。日常業務にも支障を来す上、航空チケットも高止まりしたままで、ホテル待機も有料だ。よほどの理由がない限り、気兼ねなく帰国できなくなっている。

 中国に長期滞在する日本人の多くが、毎年数回日本に一時帰国しリフレッシュするのだが、今年はそれができずストレスがたまっている人も少なくないはずだ。もともとは家族帯同だったが、新型コロナ感染拡大を受け家族だけ日本に帰し、単身赴任となってしまったケースもある。子供が生まれたばかりで帰国して直接会いたいのに帰れないという友人もいる。

 中国ビジネスが日本企業の業績に対する寄与度は高い。事実、コロナ禍から真っ先に脱しつつある中国経済の回復が後押しとなり、企業の業績見通しの上方修正が相次いでいる。その最大の功労者は中国ビジネス最前線で活躍する駐在員たちと言っても過言ではないだろう。

 世界規模で見ると感染は再び拡大傾向にある。徹底した感染抑制策をとってきた中国が、短期間で緩和に転じるとは考え難い。帰国できない日々が続けば、目に見えないストレスがチリのように積もっていく。現地で働くビジネスパーソンに対するきめ細かなケアも忘れてはならない。