閑散としたショッピングモールの内部。中国だけでなく、世界各地で集会や移動などが制限され、経済への影響が懸念される。(写真:AFP/アフロ)
閑散としたショッピングモールの内部。中国だけでなく、世界各地で集会や移動などが制限され、経済への影響が懸念される。(写真:AFP/アフロ)

ビデオ飲み会で気晴らし

 一方、余暇の過ごし方については、外出できなくなったことで家にいながら楽しめる娯楽が人気だ。私の勤める大学の学生や卒業生、友人たちに話を聞くと、ゲームや動画視聴の時間が増えたようだ。自分だけでなく、田舎にいる両親のために動画サイトのサブスクリプションを申し込んだという卒業生もいた。

 外での飲み会ができなくなったため、「視頻喝酒(ビデオ飲み会)」を開いて気晴らしをしている北京の友人たちもいる。酒やつまみを個別に準備し、最大9人まで参加できるウィーチャットのビデオチャット機能を使って、酒を飲みながら会話を楽しむ。ただし、私も参加してみたが通信が不安定で、会話の途切れや遅延が気になった。

 現行規格の通信速度では限界があるが、これも第5世代移動通信システム(5G)が普及すれば解決するだろう。

 新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ経済を立て直すため、年後半にかけてさらなる経済対策が打ち出されると予想される。2008年のグローバル金融危機直後に中国政府がとった総額4兆元の大規模景気刺激策は過剰生産や過剰債務、インフレといった大きな副作用をもたらした。今回は当時の経験に学び、未来志向型の投資が期待される。

 その1つとして考えられるのが、危機対処の一助となったインターネット分野への投資だ。これにより5G基地局の敷設が一気に進み、結果として5G対応スマートフォンの需要も高まるかもしれない。これは我が国の関連メーカーにとってもチャンスとなる。対応ができるようしっかりと準備を進めておくことが必要だろう。

 「転禍為福(禍を転じて福と為す)」

 今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって、教育とテクノロジーを掛け合わせた「エドテック」の他にも、5Gを利用した遠隔医療やデジタルツールを活用したテレワークが進んだ。中国政府主導による経済対策の内容を含め、ポストコロナ時代の中国経済を冷静に見極める必要がありそうだ。

この記事はシリーズ「西村友作の「隣人の素顔」~リアル・チャイナ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。