
豚肉の代わりに鶏卵を使用
豚肉は、中国の食卓には欠かせない食材で、「豚肉は大多数の国民にとって最も重要な食肉(于康震・農業農村部副部長)」だ。
私が生活する北京でも豚肉をよく食べる。私のお気に入りは「炸醤(ジャージャン)麺」。ゆでた麺の上にキュウリやもやし、枝豆といった具材をのせ、豚肉をベースにした肉味噌をたっぷりとかけていただく。ゴロゴロ入った豚肉に味噌が絡まり、頬張るとうまみと香ばしさが口いっぱいに広がる。生にんにくをかじりながら、豪快に食べるのが北京スタイルだ。
この炸醤麺は、普通の北京の家庭であればどこでも作られるようで、私も中国人の友人宅でよくごちそうしてもらう。この北京版「おふくろの味」にもASFの影響が及んでおり、私の北京の友人によると、「豚肉の代わりに鶏肉を使う家庭もあるが、我が家では鶏卵を使う」という。
このような中、中国政府も疫病対策の強化や豚肉の供給拡大、価格の安定化に関するさまざまな政策を実施している。
国務院が19年9月に公表した「豚の生産安定と産業高度化の促進に関する意見」では、補助金支給や備蓄冷凍豚肉の放出といった施策が盛り込まれた。実際に、10月1日の国慶節前に、3回に分けて合計3万トンの国家が備蓄していた冷凍豚肉を市場に供給した。
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