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テクノロジーで「信用を担保」

 私の北京の友人たちが自家用車を購入し始めた2010年前後、彼らが中古車を敬遠していた大きな理由が「中古車は信用できない」というものであった。一般人では事故車 かどうかも判断できず、整備状況などの情報も業者に言われるがまま。トラブルも頻発していたという。

 それが近年のテクノロジーの進歩と応用により、客にとって不透明だった中古車の販売現場が大きく変化している。

 その代表的企業が、ソフトバンク・ビジョン・ファンドも15億ドル(約1620億円)の投資を決めた、中古車取引サイト「瓜子二手車」を運営する「車好多集団」。「中古 車市場にAIを最も有効に、最も効果的に、しかも大きなスケールで実現させている会社(孫正義ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長)」だ。

 「瓜子」では、全ての車に対し259項目に及ぶ検査を行い、AIを使って計測データを分析しているという。また、購入後30日以内での返品や2年間の保証を約束し、会社の 信頼感を高めている(同社ホームページ)。

 販売面においても、スマートフォンのアプリで中古車販売の動画中継をしたり、アプリから直接来店予約ができたりと、オンラインショッピングに慣れた若者を取り込む 努力に余念がない。

 中古車EC市場では、「瓜子」以外にも、「優信」や「人人車」、「大捜車」といったプラットフォームが激しい競争を繰り広げている。

 中国では、中古車販売に対して厳しい規制が課されていたが、徐々に緩和が進められている。今年から北京や上海、広東など一部の都市に限り中古車の輸出を解禁した。 また、以前は登録地以外の都市での中古車販売は禁止されていたが、部分的に緩和され、全面解禁に向けた動きも見られるようになった。

 今後、規制緩和が進んでいけば、中古車市場にとっては追い風になるのは間違いない。日本を含む先進国の多くでは、中古車の販売台数は新車を超えている。アメリカで は中古車が新車の2倍以上売れる。中国における中古車販売数も、最新テクノロジーを駆使した「信用を担保する」というビジネスモデルで、増加していくと予想される。